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子どもの胃腸炎(嘔吐・下痢)対処法|脱水サインと受診の目安を徹底解説

文:おはママ編集部
子どもの胃腸炎(嘔吐・下痢)対処法|脱水サインと受診の目安を徹底解説

赤ちゃんが突然嘔吐し、その後も激しい下痢が続く——。子どもの胃腸炎は、育児中のママが最も直面しやすいトラブルのひとつです。深夜に嘔吐が始まり、「病院に行くべき?」「水分はどう与えればいい?」と不安になったことがある方も多いのではないでしょうか。

感染性胃腸炎はウイルスや細菌が原因で起こる腸の炎症で、乳幼児は体重に占める水分の割合が高く、嘔吐や下痢で水分を失うと急速に脱水が進みやすいため注意が必要です。ただし、正しいケアの知識があれば、多くのケースは家庭で対応することができます。

この記事では、乳幼児の胃腸炎の原因・症状・家庭でのケア方法・脱水症状の見分け方・受診のタイミングまで、おはママ編集部がわかりやすくまとめました。

乳幼児の胃腸炎(感染性胃腸炎)とは?主な原因と感染経路

感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌が消化管に感染して起こる腸の炎症のことです。乳幼児が繰り返しかかりやすい感染症のひとつで、とくに秋〜春にかけて流行のピークを迎えます。

主な原因ウイルスと特徴

ウイルス特徴流行しやすい時期
ロタウイルス乳幼児の重症胃腸炎の主な原因。白色〜黄白色の水様便が特徴冬〜春(1〜4月)
ノロウイルス突発的な嘔吐で始まりやすく感染力が非常に強い冬(11〜2月)
アデノウイルス年間を通じて発生する。発熱を伴うことが多い通年

感染経路は、感染した人の嘔吐物・便に含まれるウイルスが口から入る「糞口感染」や、嘔吐物から飛散したウイルスを吸い込む「飛沫感染」が主なルートです。

潜伏期間はウイルスによって異なり、ロタウイルスでは感染から症状が出るまで2〜4日程度、ノロウイルスでは24〜48時間程度が一般的とされています。

出典: 厚生労働省 | 感染性胃腸炎

ロタウイルスワクチンで重症化リスクを下げられる

2020年10月から、ロタウイルスワクチンが定期接種(公費負担) に加わりました。2020年8月1日以降に生まれたお子さんが対象で、ワクチンを接種することで重症化するリスクを大幅に下げることが期待できます。ワクチンの種類(ロタリックス・ロタテック)や接種スケジュール・標準的な初回接種時期については、かかりつけの小児科にご確認ください。

出典: 厚生労働省 | ロタウイルスワクチン

症状の特徴と経過|嘔吐・下痢・発熱はどう続く?

胃腸炎では、嘔吐→下痢の順番で症状が現れることが多く、発熱を伴うケースもあります。症状の見通しを知っておくと、家庭での対応がしやすくなります。

嘔吐の特徴

  • 突然始まることが多く、最初の数時間は30分〜1時間おきに繰り返すこともある
  • 多くの場合、12〜24時間ほどで頻度が落ち着いてくる
  • 嘔吐が続く間は水分補給が難しいため、脱水に最も注意が必要

下痢の特徴

  • 水のような便(水様便)が1日に何度も出る
  • ロタウイルスによる胃腸炎では、白っぽい便になることがある
  • 嘔吐が落ち着いた後も3〜7日程度続くことが多い。長引くケースもある

発熱

  • 38℃以上の発熱を伴うことも多い。ロタウイルスでは高熱(39℃以上)が出ることもある
  • 熱がないまま嘔吐・下痢が続くケースもある

症状の経過や程度はお子さんによって個人差があります。不安なときや症状が重い場合は、かかりつけの小児科医に相談してください。

家庭でのケアの基本|水分補給と食事の進め方

胃腸炎のケアで最も重要なのは「脱水を防ぐ」ことです。ウイルス性の胃腸炎に特効薬はなく、水分補給と安静が回復への近道です。

出典: 厚生労働省 | ロタウイルスに関するQ&A

どの飲み物を選ぶ?

経口補水液(OS-1・アクアライトORSなど)が最も適しています。体に必要な塩分と糖分がバランスよく含まれており、失った水分を効率よく補うことができます。

飲み物適否理由
経口補水液(OS-1など)◎ 最適塩分・糖分のバランスが良好
母乳・ミルク◎ 継続可中断しなくてよい
白湯・薄いお茶△ 補助的に塩分が不足しているため単独での補水には不向き
スポーツドリンク△ できれば控える塩分が少なく糖分が多い
甘い果汁・ジュース× 避ける浸透圧が高く下痢を悪化させる可能性がある

水分の飲ませ方のコツ

  • 嘔吐直後は30分〜1時間は胃を休める(すぐ飲ませると嘔吐を誘発しやすい)
  • その後、ティースプーン1〜2杯(5〜10ml)から少量ずつ始める
  • 5〜10分おきに少しずつ、根気よく飲ませる
  • 嘔吐が落ち着いたら少しずつ量を増やしていく
  • 嫌がる場合はアイスキャンディー状に凍らせた経口補水液も活用できる

食事の再開タイミング

嘔吐が落ち着いて水分を保てるようになったら、消化のよい食事を少量から始めましょう。

食べやすいもの: おかゆ・うどん・食パン・豆腐・リンゴのすりおろし・バナナ(よく熟れたもの)

しばらく控えるもの: 揚げ物・乳製品・甘い果汁・食物繊維が多い野菜・豆類

下痢止め薬・整腸剤の使い方

市販の下痢止め薬を乳幼児に自己判断で与えることは避けてください。下痢止め薬はウイルスの排泄を遅らせる可能性があるとされており、小児への使用は必ず医師の指示に従ってください。整腸剤については受診時に医師に確認しましょう。

脱水症状を見逃さない|チェックリストで確認しよう

乳幼児は大量の嘔吐・下痢で急速に脱水が進みます。以下のサインをこまめに確認してください。

軽度の脱水サイン(家庭でケアしながら様子を見る)

  • おしっこの量が少ない、色が濃い
  • 口の中がやや乾いている
  • いつもより元気がなく、機嫌が悪い

中〜重度の脱水サイン(速やかに受診する)

  • 泣いても涙が出ない
  • 口の中・唇が極端に乾いている
  • 目がくぼんで見える
  • 皮膚を軽くつまんでもすぐに元に戻らない(ターゴール低下)
  • ぐったりして反応が鈍い、呼びかけに反応しにくい
  • 8時間以上おしっこが出ていない
  • 大泉門(頭頂部の柔らかい部分)がへこんでいる(乳児の場合)

これらのサインがひとつでも見られたら、迷わず小児科または救急医療機関を受診してください。

すぐに病院へ!受診すべき症状と受診のタイミング

次の症状がある場合は、時間帯に関わらずすぐに医療機関を受診してください。夜間や休日で迷う場合は、#7119(救急安心センター、地域によって番号が異なる場合あり)に電話で相談する方法もあります。

救急受診が必要な緊急サイン

  • 意識がもうろうとしている、ぐったりして呼びかけに反応しない
  • けいれんが起きた(または止まらない)
  • 高熱(39℃以上)とひどい嘔吐・下痢が重なっている
  • 便に血が混じっている(血便・粘血便)
  • 嘔吐が止まらず、2〜3時間以上まったく水分を取れていない

翌朝・早めに受診すべきサイン

  • 生後3ヶ月未満の赤ちゃんが嘔吐・下痢をしている(月齢が低いほど重症化リスクが高い)
  • 6時間以上おしっこが出ていない
  • 嘔吐・下痢が3日以上続いている
  • 高熱(38.5℃以上)が2日以上続く
  • 元気がなく、水分を嫌がって飲もうとしない状態が続く

「様子を見ようか迷う」という場合も、遠慮なくかかりつけの小児科に電話で相談することをおすすめします。

感染拡大を防ぐ!家庭での予防・消毒対策

ウイルス性胃腸炎、特にノロウイルスは感染力が非常に強く、兄弟や大人にも感染しやすいです。家庭内での二次感染を防ぐために、以下の対策を徹底しましょう。

手洗いの徹底

  • おむつ交換・嘔吐物の処理の後は、流水と石けんで30秒以上しっかり手を洗う
  • 食事の前・トイレの後の手洗いを子どもにも習慣づける
  • ノロウイルスはアルコール消毒の効果が限定的なため、石けんと流水による手洗いが基本

嘔吐物・おむつの処理方法

ノロウイルスはアルコール消毒では十分に不活化できません。嘔吐物や便の処理には次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を使った消毒が有効です。

  1. 使い捨てのビニール手袋とマスクを着用する
  2. 嘔吐物はペーパータオルなどで外側から内側に向かって拭き取り、すぐにビニール袋に入れて密封する
  3. 処理した箇所は次亜塩素酸ナトリウムを薄めた液で消毒する
  4. 処理後は手袋をつけたまま袋を縛り、外して廃棄。その後石けんで入念に手を洗う

消毒液の希釈濃度や調製方法は、厚生労働省・消費者庁の公式情報を必ずご確認ください。

共有物の管理

感染中は、タオル・食器・コップを家族と共有しないことが大切です。衣類やシーツは85℃以上の熱湯で1分以上処理するか、塩素系漂白剤で消毒(色物には注意)することが有効とされています。

保育園・幼稚園への登園について

感染性胃腸炎(ノロウイルス・ロタウイルスなど)による嘔吐・下痢がある場合、症状が消失してから一定の期間が経つまで登園を控えるよう各施設から求められることがあります。こども家庭庁の保育所感染症対策ガイドラインでは、嘔吐・下痢の症状がなくなるまでは登園しないことが推奨されています。具体的な判断は、かかりつけ医や施設のルールに従ってください。

出典: こども家庭庁 | 保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版・2023年5月一部改訂)

まとめ

  • 乳幼児の胃腸炎はロタウイルス・ノロウイルスが主な原因で、感染力が強く家族への拡大にも要注意
  • 治療の基本は経口補水液での水分補給と安静。少量ずつ、こまめに飲ませることが大切
  • スポーツドリンクや甘い果汁は塩分・糖分バランスが合わないため、経口補水液を優先する
  • 脱水サイン(涙が出ない・尿が長時間出ない・ぐったりするなど)を見逃さない
  • 血便・けいれん・意識低下・嘔吐が止まらないときはすぐに医療機関へ
  • ロタウイルスワクチン(2020年〜定期接種)で重症化リスクを下げることができる

胃腸炎になっても、正しい水分補給と安静で多くのお子さんは元気に回復します。ただし乳幼児は状態が急変することもあるため、少しでも不安を感じたときは迷わずかかりつけの小児科や医療機関に相談してください。

よくある質問

Q. 子どもが胃腸炎になったら何を飲ませればいい?
A. 経口補水液(OS-1やアクアライトORSなど)が最適です。嘔吐が落ち着いたらティースプーン1〜2杯(5〜10ml)から少量ずつ始め、5〜10分おきにこまめに与えましょう。スポーツドリンクは塩分濃度が低く代用には向きません。母乳やミルクは継続して与えて構いません。
Q. 子どもの胃腸炎でいつ病院に行けばいい?
A. 血便・けいれん・意識がもうろうとしているときはすぐに受診してください。泣いても涙が出ない、6時間以上おしっこが出ない、嘔吐が止まらず水分をまったく取れないといった脱水のサインが見られる場合も、早めに小児科を受診することをおすすめします。
Q. 胃腸炎の時に食事はどうすればいい?
A. 嘔吐が落ち着いて水分を保てるようになったら、おかゆ・うどん・食パンなど消化のよいものから少量ずつ始めましょう。脂っこいもの・乳製品・甘い果汁は腸への負担が大きいため回復するまで控えることが一般的です。食事の再開時期は体調に合わせて無理のない範囲で進めてください。
Q. 子どもの胃腸炎はいつまで続く?
A. 嘔吐は一般的に1〜2日程度で落ち着くことが多いですが、下痢は3〜7日続くこともあります。ロタウイルスによる胃腸炎は症状が重く、下痢が1週間以上続くケースもあります。症状が長引く場合や悪化する場合はかかりつけの小児科に相談してください。
Q. 胃腸炎は兄弟や家族にうつる?
A. ウイルス性の胃腸炎は感染力が非常に強く、特にノロウイルスはごく少量のウイルスでも感染します。タオルや食器の共有を避け、嘔吐物の処理には使い捨て手袋を使用し塩素系漂白剤で消毒することが重要です。こまめな手洗いを家族全員で徹底して感染拡大を防ぎましょう。