赤ちゃんの予防接種スケジュール完全ガイド|0〜2歳の種類・時期・副反応まとめ
「予防接種っていつから?どんな種類があるの?」——赤ちゃんが生まれてすぐ、こんな疑問を持つママはとても多いです。ワクチンの種類が多く、次々と接種が続くのでスケジュール管理が大変と感じることもあるでしょう。
実は、赤ちゃんはお母さんからもらった免疫(移行抗体)が生後6ヶ月ごろから急速に薄れるため、生後2ヶ月からの早期スタートがとても大切です。感染症から守るための第一歩として、予防接種のしくみと流れを把握しておきましょう。
この記事では、日本小児科学会・厚生労働省の最新情報をもとに、0〜2歳の接種スケジュールをわかりやすくまとめました。副反応の対処法や「遅れたときの対応」まで解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
赤ちゃんに予防接種が必要な理由
結論から言うと、乳幼児期は感染症に対する抵抗力が未熟で、重症化リスクが高い時期です。
赤ちゃんは生まれながらに、お母さんからもらった「移行抗体」を持っています。ただし、この抗体は生後6ヶ月ごろには弱まり始め、自分で抗体を作る力もまだ十分に発達していません。この「免疫の空白期間」は、感染症にかかると重症化しやすい危険な時期です。
特に以下のような感染症は、生後数ヶ月の赤ちゃんにとって命にかかわる危険性があります。
- Hib(インフルエンザ菌b型)による細菌性髄膜炎: 後遺症や死亡のリスクがある重篤な病気
- 百日せき: 生後6ヶ月未満の赤ちゃんでは呼吸困難を起こすことがある
- 肺炎球菌感染症: 肺炎・髄膜炎・中耳炎などを引き起こす
ワクチンは「あらかじめ弱めた病原体や毒素」を体内に入れることで、実際に感染する前に免疫を作る仕組みです。早期に接種することで、赤ちゃんをこれらの感染症から効果的に守ることができます。
0〜2歳の予防接種スケジュール一覧
日本小児科学会が2026年4月1日版として公表している最新の推奨スケジュールをもとに、接種時期の目安をまとめました。実際の接種タイミングや同時接種の組み合わせはかかりつけ医の判断によって異なります。必ず母子手帳を持参のうえ、かかりつけ医と個別のスケジュールを立ててください。
出典: 日本小児科学会 | 予防接種スケジュール 2026.4.1版
生後2〜4ヶ月(スケジュールが最も集中する時期)
生後2ヶ月になったら、できるだけ早くかかりつけ医に相談してスタートしましょう。この時期は一度に複数のワクチンを同時接種するのが一般的です。
| 接種時期 | ワクチン | 接種回数 | 種別 |
|---|---|---|---|
| 生後2ヶ月〜 | 5種混合(DPT-IPV-Hib)① | 初回1回目 | 定期 |
| 生後2ヶ月〜 | B型肝炎① | 初回1回目 | 定期 |
| 生後2ヶ月〜 | 肺炎球菌(PCV)① | 初回1回目 | 定期 |
| 生後2ヶ月〜 | ロタウイルス① | 初回1回目 | 定期 |
| 生後3ヶ月〜 | 5種混合② | 初回2回目 | 定期 |
| 生後3ヶ月〜 | B型肝炎② | 初回2回目 | 定期 |
| 生後3ヶ月〜 | 肺炎球菌② | 初回2回目 | 定期 |
| 生後3ヶ月〜 | ロタウイルス② | 初回2回目 | 定期 |
| 生後4ヶ月〜 | 5種混合③ | 初回3回目 | 定期 |
| 生後4ヶ月〜 | 肺炎球菌③ | 初回3回目 | 定期 |
| 生後4ヶ月〜 | ロタウイルス③ | 初回3回目(ロタテックの場合) | 定期 |
5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib) は、ジフテリア・百日せき・破傷風・不活化ポリオ・Hib(インフルエンザ菌b型)の5つを1本でカバーする注射です。2025年度以降、4種混合から5種混合への移行が進んでいます。
ロタウイルスワクチンは経口(飲む)タイプのワクチンで、飲ませると腸管免疫が形成されます。ロタリックス(2回接種)とロタテック(3回接種)の2種類があります。接種できる週数の上限があるため、生後2ヶ月になったらすぐに接種を開始することが重要です。
生後5〜8ヶ月
| 接種時期 | ワクチン | 接種回数 | 種別 |
|---|---|---|---|
| 生後5〜8ヶ月 | BCG(結核予防) | 1回のみ | 定期 |
| 生後7〜8ヶ月 | B型肝炎③ | 初回3回目 | 定期 |
BCGはスタンプ式で上腕に接種します。接種後10日〜4週頃に接種部位が赤く腫れたり、膿が出たりすることがありますが、これは正常な免疫反応の経過です。自然に治まるため、あわてて受診する必要はありません。
1歳〜
| 接種時期 | ワクチン | 接種回数 | 種別 |
|---|---|---|---|
| 1歳〜 | MR(麻しん・風しん混合)① | 1回目 | 定期 |
| 1歳〜 | 水痘(みずぼうそう)① | 1回目 | 定期 |
| 1歳〜 | おたふくかぜ(ムンプス)① | 1回目 | 任意 |
| 1歳〜 | 肺炎球菌(追加) | 追加1回 | 定期 |
| 1歳3ヶ月〜 | 5種混合(追加) | 追加1回 | 定期 |
| 1歳3ヶ月〜 | 水痘(みずぼうそう)② | 2回目 | 定期 |
1歳を迎えたタイミングで、MR(麻しん・風しん)と水痘(みずぼうそう)の接種が始まります。麻しん(はしか)は感染力が非常に強く重症化しやすいため、1歳になったらできるだけ早めに接種しましょう。
3歳以降
| 接種時期 | ワクチン | 接種回数 | 種別 |
|---|---|---|---|
| 3歳〜 | 日本脳炎①② | 2回 | 定期 |
| 5〜7歳 | MR(麻しん・風しん混合)② | 2回目 | 定期 |
| 4歳〜 | 日本脳炎③ | 3回目 | 定期 |
日本脳炎ワクチンは3歳から開始し、合計4回(第1期3回・第2期1回)の接種が必要です。MRワクチンの2回目は小学校入学前の1年間(5〜7歳)が対象期間です。
接種のタイミングや組み合わせは年々アップデートされることがあります。かかりつけ医や地域の保健センターに最新情報を確認するようにしてください。
定期接種と任意接種の違い
結論から言うと、定期接種は公費負担、任意接種は原則自己負担です。
定期接種
予防接種法に基づき国が対象者・時期・回数を定めており、公費(自治体の費用負担)で接種できるのが最大のメリットです。上記の5種混合・B型肝炎・肺炎球菌・BCG・MR・水痘・日本脳炎・ロタウイルスなどが定期接種に含まれます。
対象年齢や接種期間が決まっており、期間を過ぎると自己負担になる場合があります。なるべく推奨時期を逃さないよう意識しておきましょう。
任意接種
定期接種に含まれないワクチンで、費用は原則として保護者の自己負担となります。代表的なものは以下のとおりです。
- おたふくかぜ(ムンプス): 難聴などの重篤な合併症予防に有効。日本小児科学会は2回の接種を推奨
- インフルエンザ: 毎年接種が推奨。乳幼児は2回接種
- 髄膜炎菌: 集団生活が始まる前に検討を
「任意だから打たなくていい」というわけではありません。任意接種のワクチンも感染予防・重症化予防の効果が確認されているものが多く、かかりつけ医に相談してみることをおすすめします。自治体によっては補助を実施している場合があるので、お住まいの自治体にも確認してみましょう。
予防接種前の準備と当日の流れ
接種前に確認すること
- 体温を測る: 37.5℃以上の発熱がある場合は接種を延期し、医師に相談
- 体調チェック: 下痢・嘔吐・ぐったりしているなど体調不良があれば医師に伝える
- アレルギーの有無: 卵・ゼラチン・抗生物質などのアレルギーがある場合は事前に申告
- 前回の接種情報を確認: 副反応の有無を医師に伝えておく
- 母子手帳を必ず持参: 接種記録を正確に管理するために欠かせない
当日の流れ
- 体温測定(自宅または受付時)
- 問診票の記入 → 体調・アレルギー・既往歴などを記入
- 医師による診察 → 接種可否の判断(問診・聴診など)
- 接種 → 注射は大腿(太もも)や上腕、ロタウイルスは経口
- 15〜30分は院内または近辺で待機 → 稀なアナフィラキシー反応に備えて
接種後は激しい運動を避け、入浴は当日でも可能ですが接種部位を強くこすらないようにしましょう。水分補給をこまめに行い、赤ちゃんの様子をよく観察してください。
接種後の副反応と対処法
結論から言うと、多くの副反応は数日で自然に回復しますが、特定の症状が出たらすぐに医師へ連絡が必要です。
よくある副反応
| 症状 | 対処の目安 |
|---|---|
| 接種部位の腫れ・赤み・硬さ | 冷やして様子を見る。数日で改善するのが一般的 |
| 発熱(37.5〜38℃台) | 水分補給・薄着にして様子を見る。2〜3日で回復するのが一般的 |
| 機嫌が悪い・ぐずる | 普段どおりあやして様子を見る |
| 食欲の低下 | 水分をこまめに補給する |
| BCG接種部位の赤み・腫れ | 接種1〜2ヶ月後に出る正常反応。自然に回復する |
5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)では、接種後に発熱が見られることがあります。多くは軽度で1〜2日で自然に治まります。
出典: 厚生労働省 | 5種混合(DPT-IPV-Hib)ワクチン
すぐに病院へ連絡・受診が必要な症状
以下の症状が見られた場合は、速やかにかかりつけ医または救急に連絡してください。少しでも「いつもと違う」と感じたら、遠慮なくかかりつけの小児科医に相談しましょう。
- 38.5℃以上の高熱が長時間続く
- ぐったりして反応が鈍い、あやしても泣き止まない
- 水分(母乳・ミルク)が全く取れない
- けいれん(ひきつけ)を起こした
- 接種部位以外に広範囲の発疹・じんましんが出た
- 顔色が青白い、唇の色が悪い
- 呼吸が苦しそう
これらの症状は稀ですが、アナフィラキシーなどの重篤な副反応のサインである場合があります。接種後30分以内に起こることが多いため、接種直後は院内や近辺で待機するようにしてください。
接種が遅れたときはどうする?
体調不良やきょうだいの都合で接種が遅れることは珍しくありません。一時的な遅れは許容される場合がほとんどですが、以下の点に注意が必要です。
- ロタウイルスワクチンは接種できる週数の上限があり、超えると接種できなくなる。遅れが生じている場合は早急にかかりつけ医に相談を
- 定期接種の対象年齢を過ぎると自費接種になる可能性がある
- 「キャッチアップスケジュール」として、遅れた分を取り戻す接種計画を医師が立ててくれる
「もう遅いかも…」と諦めず、まずはかかりつけ医に現状を伝えて相談することが大切です。多くのケースで対応できます。
まとめ
- 赤ちゃんの予防接種は生後2ヶ月からスタート。5種混合・B型肝炎・肺炎球菌・ロタウイルスの同時接種が一般的な流れ
- 定期接種は公費負担で受けられる。任意接種(おたふくかぜ等)も感染予防効果があり、かかりつけ医への相談をおすすめ
- 接種前は体温確認・母子手帳持参・アレルギー申告を忘れずに。体調不良時は延期する
- 接種後の発熱・腫れは一般的な副反応。38.5℃以上の高熱・けいれん・水分が取れない場合はすぐに医師へ相談
- スケジュールが遅れた場合は諦めず、かかりつけ医に相談してキャッチアップできることが多い
予防接種のスケジュール管理は大変に感じることもありますが、一つひとつ確実に進めていくことが赤ちゃんの健康を守る大きな力になります。不安なことはひとりで抱え込まず、かかりつけの小児科医・保健師にいつでも気軽に相談してみてください。
よくある質問
- Q. 赤ちゃんの予防接種はいつから始めますか?
- A. 日本小児科学会は生後2ヶ月から予防接種を開始することを推奨しています。生後2ヶ月になったら、5種混合・B型肝炎・肺炎球菌・ロタウイルスの4種類を同時接種するのが標準的な流れです。具体的なスケジュールはかかりつけ医と相談の上、立てるようにしてください。
- Q. 予防接種は何本も同時に打って大丈夫ですか?
- A. 複数のワクチンを同時接種することは、日本小児科学会も推奨しており、医学的に安全性が確認されています。同時接種により早期に必要な免疫を獲得でき、通院回数も減らせます。同時接種の可否や組み合わせについてはかかりつけ医にご確認ください。
- Q. 予防接種後に発熱したらどうすればいいですか?
- A. 接種後の発熱は多くのワクチンで見られる副反応の一つです。通常は2〜3日で自然に治まりますが、38.5℃以上の高熱が続く場合や、ぐったりしている・水分が取れないなどの症状がある場合は、速やかにかかりつけの小児科医に相談してください。
- Q. 定期接種と任意接種の違いは何ですか?
- A. 定期接種は予防接種法に基づき国や自治体が接種を推奨し、公費で受けられるワクチンです。任意接種はおたふくかぜ(2回目)やインフルエンザなどが代表で、原則自己負担となります。任意接種も感染予防効果は確認されているので、かかりつけ医と相談して検討しましょう。
- Q. 予防接種を受けられないのはどんなときですか?
- A. 発熱(37.5℃以上が目安)・下痢・嘔吐など体調不良がある日は延期するのが一般的です。また、前回接種後に強い副反応があった場合や、重篤なアレルギーの既往がある場合も事前に医師への相談が必要です。接種可否の最終判断は必ずかかりつけ医にご確認ください。