【2026年版】男性育休の取得率は40.5%へ!最新の法改正と家族で「育休」を活かすポイント
「父親は仕事、母親は育児」――そんな時代の常識がここ数年で大きく変わりつつあります。2024年度の男性育休取得率は40.5%。わずか10年前は5%前後だったことを考えると、まさに別世界の数字です。
2025年施行の改正育児・介護休業法も加わり、2026年の今、男性育休は「取って当たり前」の時代に近づきつつあります。
本記事では、最新データをもとに、男性育休の全体像と、家族で最大限に活用するためのコツを解説します。
最新データ:男性育休はここまで伸びた
取得率は初めて40%台へ
厚生労働省の令和6年度雇用均等基本調査、令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査によると、
- 男性の育休取得率:40.5%(前年度30.1%)
- 平均取得日数:46.5日
と、いずれも過去最高を更新しました。政府は2025年に取得率50%、2030年には85%を目標としており、2026年中には50%突破が現実味を帯びています。
(出典:「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」 (速報値))
業種・企業規模による格差はまだ大きい
- 大企業・公務員では60〜70%台に達する一方、
- 中小企業・建設業・運輸業などでは20〜30%台
という業種ごとの差も残っています。制度があっても「取りづらい空気」が障壁になっているのが実情です。
2025年施行の改正育児・介護休業法、ここがポイント
① 公表義務の対象が「従業員300人超」へ拡大
男性の育休取得率の公表義務は、これまで従業員1,000人超の企業が対象でしたが、2025年4月から301人以上の企業にも拡大。自社の数字を毎年「見える化」する必要が生まれ、企業としても本腰を入れざるを得ない環境になっています。
(出典:2025年4月から、男性労働者の育児休業取得率等の公表が従業員が300人超1,000人以下の企業にも義務化されます)
② 柔軟な働き方を選べるメニューの整備
3歳〜小学校就学前の子を持つ従業員が、次の5つのうち2つ以上から選べる体制を、企業は整備する義務を負うようになりました。
- 始業・終業時刻の変更(フレックス・時差出勤)
- テレワーク
- 短時間勤務
- 新たな休暇の付与
- 保育施設の設置運営等
③ 仕事と育児の両立についての「個別周知・意向確認」
妊娠・出産の申出があった従業員だけでなく、子が3歳になる前に改めて希望を確認することが義務化されました。「いつでも相談できる」環境作りが狙いです。
④ 出生後休業支援給付・育児時短就業給付(2025年4月〜)
- 出生後休業支援給付:両親ともに育休を取ると、最大28日間、休業前賃金の最大13%が上乗せされる給付金。既存の育児休業給付と合わせて、手取り10割相当が実現されています。
- 育児時短就業給付:2歳未満の子を育てるために時短勤務をした場合、時短後の賃金の10%を給付。
どちらも、育休・時短で収入が減ることを気にして取りづらい層に向けた、実質的な収入補填制度です。
(出典:2025年4月から「出生後休業支援給付金」を創設しました)
(出典:育児時短就業給付の内容と支給申請手続 2025(令和7)年8月1日時点版)
「取れば良い」ではない!家族で差がつく育休の使い方
取得率は上がりましたが、「取っただけで何もしなかった」「妻からは逆に不満が増えた」という声も少なからずあります。せっかくの育休、家族の幸福度につなげるには設計が大事です。
夫婦で作る「育休タイムライン」
出産予定日から1年くらいのスパンで、誰が・いつ・どれくらい休むかをすり合わせます。
- 産後8週間:母体の回復が最優先。夫は長めに休める時期。
- 生後2〜4か月:授乳リズムが整う時期。夫婦で交代制にする家庭も。
- 生後6〜12か月:離乳食・保育園探し・復職準備など、やることが一気に増える時期。
「夫が産後2週間だけ取って終わり」ではなく、時期を分けて複数回に分割取得するのが、最近の主流です。産後パパ育休(出生時育児休業)は4週間以内を2回まで分割取得可、通常の育休も2回まで分割取得可なので、柔軟に組み合わせましょう。
家事・育児の「棚卸し」を夫婦でする
育休に入ってから「何をしたらいいか分からない」男性の多くは、家事育児の全体像を把握していないだけです。
- ミルク・授乳・沐浴
- オムツ替え・寝かしつけ
- 洗濯・食事作り・掃除
- 役所手続き・検診・予防接種予約
- 近所付き合い・行事の準備
これらを書き出し、どちらが担当か、時間帯は誰かを二人で決めるのが育休前の重要な儀式です。曖昧にすると、妻の「名もなき家事ストレス」が積み上がります。
「育休中にやりたいことリスト」を各自で作る
育休は単なる休みではなく、仕事を離れて自分や家族と向き合える希少な時間です。
- 夫婦でゆっくり外食する
- 親や兄弟と赤ちゃんの顔合わせ
- 資格取得・読書・運動
- 家計やライフプランの見直し
「また仕事に戻れるの?」という不安が出やすい時期でもあるので、復帰後のキャリアプランも話し合っておきたいところです。
企業側に求められる「風土改革」
制度は整いつつありますが、「取ったら出世できない」と感じて取得を諦める男性は依然として存在します。企業側には、
- 管理職自身の育休取得
- 業務分担の標準化・属人化の解消
- 取得者への評価面でのネガティブバイアス排除
- 復帰後の役割設計
など、制度以上に「文化」の見直しが問われています。
もし自社の環境が厳しいと感じたら、
- 労働局や両立支援コンサルタントへの相談
- 社内の取得者ネットワークへの参加
- 人事への制度活用の相談
といった手段があります。声を上げることが、次の世代の取得しやすさにつながります。
まとめ:男性育休は「夫婦の育休」と考える時代へ
男性育休は、もはや珍しい取り組みではありません。制度も給付も整い、2026年は「取るか取らないか」ではなく「いつ・どう取るか」を考えるフェーズに入っています。
- 取得率40.5%・平均46.5日で過去最高
- 2025年改正で300人超企業に公表義務
- 出生後休業支援給付で実質手取り10割
- 柔軟な働き方メニューの中から2つ以上を選択可能
大切なのは、制度を知り、夫婦で設計すること。育休は「親になる練習期間」ともいえます。家族全員が笑顔で過ごせる育休を、ぜひ計画してみてください。