2026年は「丙午(ひのえうま)」|60万人割れが迫る出生数と、少子化時代を生きる子育て家庭の視点
2026年は、60年ぶりの丙午(ひのえうま) の年です。「丙午生まれの女性は気性が激しく夫を不幸にする」――そんな迷信が昭和の時代まで残り、前回の1966年には 出生数が前年比マイナス25.4% と急落しました。
令和の今、この迷信を気にする人はさほど多くないと思われますが、日本の出生数はすでに過去最少ペースで減少中。政府の試算では、2026年は60万人を割り込むとの見方もあります。
子育て家庭にとって、少子化は「他人事」ではありません。この記事では、最新の数字を押さえつつ、2026年を生きる家族の視点でこの問題を考えてみます。
数字で見る日本の少子化
2023年:合計特殊出生率は1.20
1人の女性が生涯に産む子どもの数の推計値(合計特殊出生率)は、2023年に1.20と過去最低を更新。OECD諸国と比べても非常に低い水準です。
2024年:1.15の試算
日本総合研究所の試算では、2024年は1.15前後。コロナ禍以降の回復がないまま、出生率の低下が止まらない状況です。
2025年:出生数66.5万人(試算)
民間試算では、2025年の出生数は66.5万人前後とされています。1899年の統計開始以来の過去最少。年間100万人を割り込んだのが2016年ですから、わずか10年弱でさらに3割以上減ったことになります。
2026年:60万人割れの可能性
2026年は丙午の影響で、さらに出生数が落ち込む懸念があります。仮に前年比マイナス10%なら60万人前後、マイナス20%なら50万人台前半に突入します。
なぜ出生数は減り続けるのか
① 未婚化・晩婚化
- 生涯未婚率(50歳時点):男性28%・女性18%
- 平均初婚年齢:男性31.1歳・女性29.7歳
- 結婚数そのものが過去最少クラス
結婚しない・できないという選択が広がり、結婚しても初産年齢が上がったため、子どもの数が自然と減っています。
(出典:人口統計資料集(2026))
② 経済的不安
- 教育費の高騰
- 住宅価格の上昇
- 実質賃金の伸び悩み
- 雇用の非正規化
「子ども1人を育てるのに数千万円」という情報に、多くの若年層が二の足を踏んでいるのが実情です。
③ 共働きなのに家事・育児の負担が偏る
- 日本の男性の家事育児時間はOECD平均の半分以下
- 出産・育児を機にキャリア中断する女性の多さ
- 保育所・学童の時間ギャップ(小1の壁)
これらの構造が、2人目・3人目の壁になっていると言われます。
④ 価値観の多様化
子どもを持つことは選択肢の一つ、という考え方も広がり、「結婚しない」「子どもを持たない」という選択を尊重する社会へと移行中。これは悪いことではなく、多様性の広がりとも言えます。
政府のこども未来戦略と加速化プラン
国もこの状況に本腰を入れ、 2023年12月に「こども未来戦略」 を閣議決定。 2024〜2026年度の3年間を集中取組期間 と位置づけ、総額3.6兆円の大規模予算を投じる計画です。
- 児童手当の拡充(所得制限撤廃、18歳まで、第3子3万円)
- 出産費用の軽減(無償化に向けた議論)
- こども誰でも通園制度(2026年4月本格実施)
- 男性育休の推進(2025年改正法、出生後休業支援給付)
- 高校授業料の無償化(2026年度から所得制限なし)
- 子ども・子育て支援金制度(2026年4月)
ここ数年で立て続けに制度が動いているのは、まさにこの 「集中取組期間」の終盤 だからです。
子育て家庭が意識したい3つの視点
① 「もらえるもの」は漏らさず受け取る
給付金・手当・控除は、申請しないと受け取れないのが原則です。
- 児童手当
- 妊婦のための支援給付
- 医療費控除
- ふるさと納税の子育て世帯向け返礼品
- 自治体独自の子育て支援
市区町村のウェブサイトや広報誌、そしてマイナポータルを月1回はチェックする習慣を。こども家庭庁 子育て世帯の家計を応援のポータルも便利です。
② 「社会資源」としての子どもを大切に
少子化社会では、子ども一人ひとりが社会の宝物です。地域の子育て支援、保育士さん、学校の先生、学童の支援員さんへの感謝を忘れず、社会全体で育てるという意識を共有していきましょう。
③ 「子育ての多様性」を肯定する
- ひとり親家庭
- ステップファミリー
- 里親・特別養子縁組
- 事実婚
- 同性カップルでの子育て
様々な家族の形を、互いに尊重する姿勢も重要です。ママ友・パパ友との付き合い、地域活動の中でも、偏った価値観を押しつけないことが、これからの子育てコミュニティの基本になります。
これから子どもを望む方へ
迷信より、医学的情報を
丙午は迷信です。どの年に生まれた子も、その子自身の人生を生きます。迷信で出産時期を決めない・迷わないことが、2026年に出産を考える皆さんへのメッセージです。
逆に、2026年生まれの子は同学年の人数が少なくなる可能性があり、
- 保育園・学校の入りやすさ
- 受験倍率の有利さ
- 競争の緩和
といったメリットも論じられています(あくまで結果論ではありますが)。
妊活・不妊治療は早めの相談を
不妊治療の保険適用(2022年〜)により、経済的ハードルは下がりました。
- 体外受精:保険適用内(年齢・回数の上限あり)
- AMH検査:自治体によって費用助成
- プレコンセプションケア:妊娠前の健康管理
夫婦で早めに専門医に相談することが、後悔しない選択につながります。
(出典:不妊治療に関する取組:こども家庭庁)
キャリアと出産のバランスは「夫婦で」
女性だけに負担が集中しない設計が、2人目・3人目へのハードルを下げます。育休取得、時短勤務、テレワーク、祖父母支援、保育サービス…使える制度を総動員で考えましょう。
まとめ:数字の向こう側にいる、一人ひとりの子どもへ
少子化の数字を見ると、つい不安や諦めの感情が湧きやすいものです。でも、統計の向こうには一人ひとりの赤ちゃんと家族がいて、それぞれにかけがえのない日常があります。
- 2026年は丙午の年・出生数は60万人割れの可能性
- 合計特殊出生率は1.20前後と過去最低水準
- こども未来戦略・加速化プランの集中取組期間の最終年
- 制度の活用と、多様な家族観の尊重が家庭の武器に
我が家の子どもたちも、これから大人になっていく過程で「少子化ネイティブ」の人生を歩みます。だからこそ、今日を笑顔で過ごすこと、そして家族を大切にすることが、未来への一番の贈り物になるのかもしれません。