おはママ
MENU
妊娠・出産 妊活 妊娠初期 0~3ヶ月 妊娠中期 4~7ヶ月 妊娠後期 8ヶ月以降 出産 子育て 0歳児 1歳児 2歳児 3〜6歳児 小学生 子供用品 保育園・幼稚園 イベント ライフスタイル ファッション グッズ マネー 災害対策 美容・健康 料理 医療・病気 検索

不妊治療の保険適用とは?2026年版|対象・年齢・回数制限と先進医療の併用を解説

文:おはママ編集部
不妊治療の保険適用とは?2026年版|対象・年齢・回数制限と先進医療の併用を解説

「不妊治療を考え始めたけど、費用がどれくらいかかるか不安…」「保険が使えるって聞いたけど、自分の場合は対象になるの?」と悩んでいるママ・プレママも多いのではないでしょうか。

2022年4月、不妊治療の保険適用範囲が大幅に拡大されました。それまで全額自己負担だった体外受精や顕微授精を含む多くの治療が、公的医療保険でカバーされるようになっています。かつては1回の体外受精に50万円以上かかることも珍しくなかった時代から比べると、制度の変化はとても大きなものです。

一方で「年齢に上限がある」「回数に制限がある」「保険適用にならない治療もある」など、制度の細かなルールを正しく把握しておかないと、治療計画を立てるときに戸惑うことも。おはママ編集部が、2026年時点の最新情報をもとに、わかりやすく解説します。気になることがあれば、必ず主治医や専門クリニックにご相談ください。

不妊治療の保険適用とは?制度の概要

2022年4月から、日本では不妊治療に公的医療保険(健康保険・国民健康保険)が適用されるようになりました。それまでは自費診療が基本で、高額な治療費がカップルの大きな負担になっていましたが、制度の拡充によって自己負担が原則3割に軽減されています。

対象となるのは法律婚・事実婚を含む夫婦です。治療を始める前に医師から治療計画の説明を受け、同意書を提出することが必要です。

また、保険適用になったことで、後述する高額療養費制度も利用できるようになりました。月ごとの自己負担に上限が設けられるため、治療が長期にわたっても一定額以上の費用は払い戻される仕組みです。

出典: こども家庭庁 | 令和4年4月から、不妊治療が保険適用されています。

保険適用の対象となる治療・対象外の治療

保険が適用される主な治療

保険適用の対象は「一般不妊治療」と「生殖補助医療」の2つに分かれます。

区分主な治療内容
一般不妊治療タイミング法(排卵日指導)、人工授精(AIH)
生殖補助医療体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)、採卵、胚培養、胚移植、胚・精子の凍結保存・管理

採卵のための卵巣刺激(排卵誘発剤の使用)も保険診療の一部として含まれます。2024年6月の診療報酬改定では、AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査精子凍結管理料も新たに保険適用に追加されました。

保険適用にならない治療・検査

すべての治療が保険でカバーされるわけではありません。現時点で保険適用外(全額自己負担)となる主な治療・検査には以下のものがあります。

  • 着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)※一部施設で先進医療として研究実施中
  • 子宮内膜受容能検査(ERA・ERPeak法)※先進医療として実施可能
  • 子宮内細菌叢検査(EMMA・ALICE法)※先進医療として実施可能
  • タイムラプス撮像法による胚培養 ※先進医療として実施可能
  • 強拡大顕微鏡による精子選別法(IMSI法)※先進医療として実施可能

ただし、「先進医療」として認定された技術については、保険診療との組み合わせで受けることができます(詳しくは後述)。

年齢制限・回数制限のルールをきちんと把握しよう

不妊治療の保険適用には、年齢と回数の両方に明確な制限があります。治療を計画するうえで非常に重要なポイントですので、しっかり確認しておきましょう。

年齢制限

体外受精・顕微授精などの生殖補助医療の保険適用は、治療を開始した日の時点で女性が43歳未満であることが条件です。

タイミング法や人工授精(一般不妊治療)については年齢制限は設けられていません。

回数制限

生殖補助医療の保険適用における上限回数は次のとおりです。

治療開始時の女性の年齢保険適用の上限回数
40歳未満1子につき通算6回まで
40歳以上43歳未満1子につき通算3回まで

大切なポイントは「1子につき」という点です。保険適用での出産(または妊娠12週以降の死産)後に再び治療を始める場合は、回数がリセットされて同じ上限が再度適用されます。2人目・3人目の不妊治療にも保険適用が使えるのは心強いですね。

「回数」の具体的な数え方(採卵のたびにカウントするのか、胚移植のたびかなど)は医療機関によって解釈が異なる場合もあるため、受診先に必ず確認しましょう。

出典: こども家庭庁 | 不妊症・不育症へ向き合いやすく 保険診療の基礎知識

先進医療との併用はどこまで可能?混合診療との違い

先進医療とは何か

「先進医療」とは、通常の保険診療とは別に、有効性・安全性を評価中の高度な医療技術のことです。国が認定した施設でのみ実施でき、費用は全額自己負担となりますが、保険が適用される診療部分との組み合わせ(混合)が特別に認められています。

不妊治療の分野では、以下のような技術が先進医療として認定されています2026年6月現在、こども家庭庁が公開している情報をもとに整理)。

  • タイムラプス撮像法による胚培養(胚の状態を連続撮影で観察)
  • 子宮内膜受容能検査(ERA・ERPeak法)(着床に最適なタイミングを判定)
  • 子宮内細菌叢検査(EMMA・ALICE法)(子宮内の細菌環境を調べる)
  • ヒアルロン酸を用いた精子選別法(PICSI法)(良質な精子を選ぶ)
  • 強拡大顕微鏡による精子選別法(IMSI法)(より詳細に精子を観察・選別)
  • 子宮内膜刺激法(SEET法)(着床環境を整える)

先進医療の認定状況や提供施設は随時更新されますので、最新情報はこども家庭庁・厚生労働省の公式ページでご確認ください。

出典: こども家庭庁 | 不妊治療における先進医療の状況(令和4年8月1日現在)

「混合診療の禁止」との関係

日本では原則として「混合診療」(保険診療と保険外診療の組み合わせ)は禁止されており、保険外の治療を併用すると全額が自己負担になってしまいます。しかし、先進医療はこの禁止の例外として認められています。

具体的には、先進医療の技術料は全額自己負担となりますが、採卵・胚移植などの保険適用部分は引き続き3割負担で受けることができます。クリニックによって提供している先進医療の種類・費用が異なりますので、受診先に詳細を確認するとよいでしょう。

費用はどう変わった?保険適用前後の目安比較

保険適用によって、不妊治療の費用負担は大きく変わりました。以下はあくまで目安で、医療機関や個人の状況によって異なります。

治療の種類保険適用前の目安保険適用後の目安(3割負担)
人工授精(1回)2〜3万円6,000〜10,000円程度
体外受精(1周期)30〜70万円65,000〜164,000円程度
顕微授精(ICSI、1周期)35〜80万円70,000〜180,000円程度

保険適用前は体外受精1周期に50万円以上かかることも珍しくなく、「費用の不安で治療に踏み出せない」というカップルも多くいました。保険適用後は10万円台で受けられるケースが増え、治療の選択肢が広がっています。

なお、先進医療の技術料はこれに加えて全額自己負担となります。使用する検査・技術によって数万〜数十万円の追加費用が発生する場合がありますので、事前に医療機関でしっかりと費用の説明を受けてください。

高額療養費制度の活用で負担をさらに抑える

保険適用の不妊治療は高額療養費制度の対象となります。1ヶ月の医療費(自己負担分)が一定額を超えると、超過分が後から払い戻される仕組みです。

年収別の月額自己負担上限(おおよその目安・2026年時点)は次のとおりです。

年収の目安月額自己負担上限(目安)
〜約370万円57,600円
約370万〜770万円80,100円+α
約770万〜1,160万円167,400円+α
約1,160万円超252,600円+α

複数月にわたって高額療養費を申請した場合、「多数回該当」として上限がさらに下がる仕組みもあります。申請は加入している健康保険組合・協会けんぽ・市区町村の国民健康保険窓口で手続きできます。

また、お住まいの市区町村によっては、国の保険制度に上乗せする独自の不妊治療助成制度を設けているところもあります。自治体の子育て支援窓口やホームページで確認してみましょう。

費用の計算は複雑なため、受診する医療機関の医事課や医療ソーシャルワーカーに相談するのもおすすめです。不妊治療の費用・制度に不安があるときは、一人で抱え込まず専門家に相談しながら進めてください。

まとめ

  • 2022年4月から体外受精・顕微授精も含む不妊治療が保険適用になり、自己負担は原則3割に軽減された
  • 生殖補助医療の保険適用条件は「治療開始時に女性が43歳未満」で、回数上限は40歳未満で6回、40〜43歳未満で3回(1子につき)
  • ERA・EMMA・タイムラプス撮像法など先進医療として認定された技術は全額自己負担だが、保険診療との組み合わせが可能
  • 保険適用になったことで高額療養費制度も利用でき、月ごとの自己負担に上限が設けられる
  • 自治体独自の助成制度も活用し、費用負担をできる限り抑えることが大切

不妊治療は身体的にも精神的にも負担が大きく、個人差も非常に大きいため、どの治療法が適切かは医師の診断が必要です。費用面の不安や制度の疑問は、受診する専門クリニックや自治体の相談窓口に遠慮なく聞いてみてください。