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妊娠中の夏の過ごし方|熱中症・むくみ・夜の寝苦しさを時期別に解説

妊娠中の夏の過ごし方|熱中症・むくみ・夜の寝苦しさを時期別に解説

夏の暑さは、妊娠前はなんとか乗り越えられていたのに、妊娠してからなんだか例年よりずっとつらい——そう感じているママも多いのではないでしょうか。お腹が大きくなるにつれて移動だけで汗だく、冷房の効いた室内と屋外の気温差が体に堪える、夜もなかなか眠れない……。

実は妊娠中は体の生理的な変化により、熱中症のリスクが一般の人よりも高くなることが医学的に知られています。赤ちゃんを守るためにも、ママ自身が「自分の体は暑さに敏感になっている」と意識して過ごすことが大切です。

この記事では、妊娠中に夏が特につらくなる理由を解説しながら、初期・中期・後期それぞれの注意点と、日常生活で今日から取り入れられる暑さ対策を具体的にお伝えします。

なぜ妊娠中は熱中症になりやすいの?

妊娠中は体の生理的な変化によって、通常よりも熱中症リスクが高まります。

主な理由は以下の3点です。

① 体温がもともと高くなる

妊娠を維持するためのプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌により、非妊娠時よりも体温が0.2〜0.5℃高くなります。もともと体が「暑い」状態にあるため、外気温の上昇の影響をより強く受けやすくなります。

② 血液量が増え、体が熱を産生しやすくなる

妊娠20週ごろを境に血液量が約40〜50%増加し、心拍数も上がります。体内で熱が産生されやすい状態になる一方、体温を外に逃がすための体温調節機能に余裕がなくなります。

③ 発汗量が増え、脱水になりやすい

体温調節のために発汗量が増加し、非妊娠時の1.2〜1.5倍の汗をかくことも珍しくありません。その分、体内の水分・電解質が失われやすく、脱水症状を起こしやすくなります。脱水が進むと血液の粘度が高まり、胎盤への血流が減って赤ちゃんに届く酸素や栄養も不足するリスクがあります。早産や低出生体重児との関連を指摘する研究もあり、軽視は禁物です。

気になる症状があるときは、自己判断せず産科の医師・助産師に必ず相談してください。

妊娠時期別・夏の注意ポイント

同じ夏でも、妊娠の時期によってリスクの中心が変わります。

時期主なリスク特にケアしたいこと
妊娠初期(〜14週)つわりによる水分不足・低血糖こまめな水分補給、無理な外出を避ける
妊娠中期(15〜27週)体温調節機能の低下・動悸冷房環境の整備、軽い運動と休憩のバランス
妊娠後期(28週〜)お腹の重さ+発汗増加・むくみ水分補給の徹底、立ちっぱなしを避ける

妊娠初期(〜14週ごろ)

つわりで食事や飲み物が十分に取れないママが多く、体内水分量が減りやすい時期です。熱中症の初期症状(めまい・ふらつき・頭痛)がつわりの症状と紛らわしく、気づきにくいことも。

屋外での活動は涼しい時間帯(午前9時前後や夕方以降)に済ませる、こまめに休憩するなどのルールを決めておくと安心です。つわりがひどくて水分が取れない状態が続く場合は、産科クリニックで点滴による水分補給が可能かどうか相談しましょう。

妊娠中期(15〜27週ごろ)

つわりが落ち着き、体調が安定しやすい一方で「調子がいいから大丈夫」と油断しがちな時期です。お腹が目立ち始め、体のバランスが変わることでも疲れやすくなります。

体が「暑い」と感じ始めたら迷わずエアコンをつける、外出は公共交通機関を利用して徒歩を最小限にするなど、早めの対処を習慣にしましょう。妊娠中期に動悸や息切れが続く場合は、貧血や血圧の変動が関わっていることもあるため、自己判断せず医師に伝えてください。

妊娠後期(28週〜)

お腹の大きさが最大になり、体重も増加するため熱がこもりやすい時期です。平静時でも動悸や息切れを感じやすく、少し歩くだけで体力を消耗します。

むくみも強く出やすく、足のだるさや重さが増します。座った状態でも足首をこまめに動かす、可能な限り横になって休むなど、血流を滞らせないことが重要です。外出頻度を下げ、用事はまとめて済ませる工夫をするのも一つの方法です。

熱中症を防ぐ具体的な対策

結論からいうと、「こまめな水分補給」と「体温上昇を防ぐ環境づくり」の2本立てが熱中症予防の基本です。

水分補給のポイント

  • 1日1.5〜2Lを目安に水分を取る(3食の食事に含まれる水分も含む)
  • 麦茶は妊娠中の水分補給に適しています。ノンカフェインでミネラル(カリウム・マグネシウムなど)も含まれており、汗をかきやすい夏の水分補給に適しています
  • 一度に大量に飲むのではなく、30分〜1時間おきにコップ1杯を意識する
  • スポーツドリンクは糖分が多いため、毎日大量に飲み続けるのは控えましょう。妊娠糖尿病のリスクが気になる場合は産科の医師に相談を
  • つわりでお茶や水が苦手な場合は、よく冷やした薄めのスープやゼリー飲料などで水分補給する方法もあります

環境・行動面の対策

  • 室温は26〜28℃前後を目安にエアコンを使用する(体が冷えすぎないよう膝掛けやカーディガンを活用)
  • 直射日光を避け、気温が高くなる10〜15時の外出は最小限
  • 外出時は日傘・帽子・保冷グッズ(ネッククーラー・保冷剤入りポーチなど)を活用する
  • 通気性のよいマタニティ用の綿素材・吸湿速乾素材の服を選ぶ
  • 電車・バスでは座席を優先して確保する。マタニティマークを活用し、優先席を遠慮なく使いましょう
  • 環境省の「熱中症特別警戒アラート」や「熱中症警戒アラート」が発令された日は外出を極力控える(出典: 環境省 熱中症予防情報サイト

むくみ・夜の寝苦しさを和らげる工夫

夏の妊娠中は熱中症対策だけでなく、むくみと睡眠の質の低下に悩むママも多くいます。

むくみを軽くするために

妊娠中のむくみ(浮腫)は多くのママが経験します。夏は特にひどくなりやすく、靴が履けなくなったという声もよく聞かれます。

  • 足を高くして寝る: クッションや丸めたタオルを足の下に入れ、心臓より足を少し高くする
  • 着圧ソックスや弾性ストッキングの活用: 足のむくみを和らげるのに役立つことがあります。医療用のものは産科で相談を
  • 長時間の立ち仕事・座り仕事を避ける: 1時間に1度は立ち上がり、足首を回したりふくらはぎを伸ばしたりする
  • 塩分の過剰摂取を控える: むくみを悪化させる塩分は加工食品や外食で多くなりがちなため、注意が必要です

むくみが急に強くなった場合や、顔・手がパンパンにむくむ場合は妊娠高血圧症候群のサインである可能性があります。必ず産科を受診してください。

夜の寝苦しさを解消するために

お腹が大きくなると寝る体勢も限られ、夜中に何度も目覚めるというママも多くいます。夏の暑さが加わると、さらに眠れない夜が続くことも。

  • エアコンのタイマーや自動運転機能を使い、寝室の室温を28℃以下に保つ
  • 冷感素材の寝具・パジャマ(吸湿冷感タイプ)を取り入れる
  • 妊婦用抱き枕・ボディピローを使い、シムス体位(左向きで上の膝を前に出す姿勢)をとると血流が安定し楽になるとされています
  • 寝る前の熱めのシャワー・入浴は避ける(38〜40℃程度のぬるめのお湯で短時間に留める)
  • 就寝1〜2時間前から部屋をあらかじめ冷やしておくと、寝床に入る時点で室温が整います

睡眠不足が続くと疲労が蓄積し、熱中症リスクも高まります。睡眠の質が著しく下がり日常生活に支障が出るようなら、早めに産科医に相談しましょう。

外出時に持っておきたいグッズリスト

妊娠中の夏の外出では、以下のアイテムを事前に準備しておくと安心です。

  • 水分(500ml入りの飲み物を2本以上、うち1本は麦茶など塩分補給できるもの)
  • 日傘・UVカット帽子
  • 保冷剤・ネッククーラー(凍らせたものをタオルで包む方法も手軽です)
  • ハンディファン(小型扇風機)
  • ぬれタオルまたは冷却シート
  • 母子手帳と健康保険証
  • かかりつけ産院の電話番号をスマホに登録しておく
  • 低血糖対策の軽食(ゼリー・小さなおにぎりなど)

急に気分が悪くなったときは迷わずその場で休み、改善しない場合は救急に連絡してください。「妊婦です」と伝えることで、優先的に対応してもらえる場合があります。

まとめ

  • 妊娠中は体温・血液量・発汗量の変化により、一般の人より熱中症リスクが高くなります
  • 初期はつわりによる水分不足、中期は油断による無理な活動、後期はお腹の重みと発汗増加がそれぞれの注意ポイントです
  • こまめな水分補給(麦茶などノンカフェイン飲料が中心)と室温管理(26〜28℃目安)が予防の基本
  • むくみには足を高くする・着圧ソックス・こまめな休憩が有効。急激なむくみや顔のむくみは産科へ
  • 夜の寝苦しさにはエアコン活用・冷感寝具・ボディピローが役立ちます
  • 少しでも体調に不安を感じたら自己判断せず、かかりつけの産科医・助産師に相談しましょう