6月5日、男性の育休「義務化」を目指す議員連盟が発足しました。まさに、「男性が育休復帰したら転勤命令が出た」とネットで炎上したテーマとぴったりのタイミングで注目が集まっています。今回は、なぜ男性の育休を義務化し、法制化するのかという議員連盟の取り組みについてご説明します。
男性育休「義務化」とはどんなもの?
今回、話題になっている案というのは、企業に対して「申請がなくても、子どもが生まれた男性すべてに育休を付与する」というものです。
最低でも3週間から1ヶ月の間、育児休暇をとったり、時短勤務をしたりできるようにすことで、少子化対策や女性の社会寝室につながるといいます。
発起人はどういう人?
もともとは自民党の有志議員が発起人となっていますが、会長に就任予定なのは、衆院議員の松野博一・元文科大臣。
松野氏は娘が生まれたとき、議員ではなかったため時間があったそうです。そのため、3年以上、子育てに関わることができました。その経験は人生の中で一番の思い出に残っていると松野氏は語っています。
2019年6月5日の発起人会の挨拶でも、「義務化というのはショッキングかもしれないが、意図するのは、男性が育児に参加するという、男性と企業、社会の意識改革を進めること」と主張しました。
現在の男性の育休取得率は?
改正育児・介護休業法が施行された2010年当時は1.38%にすぎませんでした。
6年連続で上昇し、6.16%まで伸びたものの、「2020年までに13%」という政府の目標にはまだまだ到達していません。
「義務化」することによって、「休みにくい」という職場の雰囲気を変えていくことが目的の一つにもなっています。
問題点やデメリットは?
一方で、男性の育休を義務化することへの問題点もあがっています。
たとえば、「中小企業にとっては負担が大きい」「収入面に影響があるのではないか」「そもそも女性も義務化すべき」などです。
現段階では、企業に対するサポートや個人負担へのサポートなど、取り組みかも含めて議連で検討していくそうです。
導入している企業はある?
法制化を前に、すでに男性の育休を義務化している企業はあります。
<三菱UFJ銀行>
2歳未満の子供を持つすべての男性行員に約1ヶ月の育児休業の取得を義務づけ。
<積水ハウス>
3歳未満の子を持つ男性社員に1ヶ月以上の育児休業取得を義務づけ。
<リクルートコミュニケーションズ>
正社員・専門社員・契約社員を対象に男性の育児休暇を最大で20日。うち5日は義務化。
ほかにも、「メルカリ」「大東建託」「大和證券グループ」「サンヨー食品」「丸井グループ」株式会社ワーク・ライフバランス社による「男性育休100%宣言」に賛同し、育休を取りやすい組織づくりを進めている企業はたくさんあります。
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まとめ
一口に「育休」といっても、業種によって仕事内容によって、そもそも家庭環境によっても、その考え方や必要性は変わってきます。
良い面も悪い面も併せ持つこの「義務化案」ですが、どちらにしても、子育てがしやすい方向に進むといいですね。