「ペアレントトレーニング」という言葉を知っていますか?
もともとは知的障害などの子どもがいるご家庭を対象に開発されましたが、今では、「保護者が子どもとよりよく関わる」ことを学ぶプログラムとなっています。
子どもについイライラしないためにも、楽しい子育ての仕方を学んでおきたいものです。
これさえ知っていれば「魔の2歳児」の対応もへっちゃらです。
ペアレントトレーニングとは?
「ペアレントトレーニング」というのは、その名のとおり、両親のためのトレーニング。
つまり、親が楽しく、穏やかに子育てができるよう、開発されたプログラムのことです。
もともとは、発達障害や自閉症の子どもを持つご家族のためのプログラムでした。
しかし、今では多くのアイディアが提案されるなど、いろいろな考え方やトレーニング方法が提唱されていて、日常の困ったことの解消や、子どもに対してついイライラしてしまわないような「よりよいやりとり」を学ぶことができます。
ペアレント・トレーニングの種類とは
ペアレント・トレーニングは多くの種類がありますが、有名なものをいくつかご紹介します。
もともとアメリカでADHDの子供をもつ家庭向けに開発されたプログラム。
これを、奈良教育大学等が日本に合わせて改良しました。
講義とロール・プレイ中心です。
日本でいち早くペアレントトレーニングを開始した、国立肥前療養所で開発されたプログラム。
もともとは、知的障害のある子どもの家族を対象に行われました。
講義とグループワークや行動観察などを行います。
兵庫教育大学で、自閉症スペクトラムのある子どもの家族向けに開発されました。
年齢別のプログラムに分かれていることが多く、ペアレントトレーニングの研修を受けた専属のファシリテーターがいます。
ペアレントトレーニングの具体的な方法は?
いろいろなプログラムが用意されているペアレントトレーニングですが、その中から一つ「精研式・奈良方式」の方法をご紹介しましょう。
たとえば、「毎日、同じことで子どもを怒ってしまう」とお悩みのママは多いかもしれません。
ガミガミ言うことで逆ギレされ、余計にイライラすることも……。
そんな時、子どもの日常の行動を3つに分けて書き出すといいそうです。
●好ましくない行動(減らしたいが危険ではない行動)
●危険な行動、許しがたい行動(人やものを傷つける行動)
この3つに分けると、まず、本当に許せない行動というのは、意外と少ないものだということがわかります。
そして、次に「好ましい行動」については、ほめる機会を増やしていきます。
「好ましくない行動」に対しては、達成しやすいよう促すために、指示の方法を工夫したり、ほめる準備をしておいたりします。
「危険な行動」に関しては、家庭でのルールを作り、一貫した行動をとるようにするのです。
上記のような行動をワークショップなどで学んでいくことが多いです。
ペアレント・トレーニングを学べる本
マンガでわかる魔法のほめ方PT(ペアレントトレーニング) 叱らずに子どもを変える最強メソッド
保育に活かすペアレント・トレーニング “気になる”行動が変わる支援プログラム
やさしいみんなのペアレント・トレーニング入門 ACTの育児支援ガイド
ペアレント・トレーニングガイドブック 困っている子をほめて育てる
まとめ
「ペアレントトレーニング」といっても、その方法はいろいろ。ただ、目的は「親が子どもとの関わり方を学べる」という共通したものがあります。
本を読んでみるのもいいですが、近くでワークショップなどがあったら、参加してみるのもいいかもしれません。
親子で楽しく毎日を過ごせたらいいですね。