主に幼い子どもがかかると言われるRSウィルス感染症。
2021年は昨年の同時期と比べると600倍だと言われています。また、この10年間でみても罹患率が最高なのだとか。
風邪に似た症状のRSウィルスについてご説明します。
RSウィルス感染症とは?
RSウイルス感染症というのは、呼吸器の感染症です。
何度も感染と発病を繰り返すとされていますが、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染するといわれています。
通常は9月頃から流行し、インフルエンザの時期とかさなるのですが、近年では夏ごろに流行が始まるようになっています。
非常に感染力が強いため、施設内感染に注意が必要です。
RSウィルス感染症はどんな症状が出る?
発熱、鼻水などの症状が数日続くなど、風邪の症状に似ています。
多くは軽症で済みますが、咳がひどくなったり、「ゼーゼー、ヒューヒュー」というぜんそくような呼吸になったりする場合は、細気管支炎や肺炎になってしまうこともあります。
潜伏期間は2~8日と言われ、初めて感染する乳幼児の約7割は、数日のうちに治るとされています。
一方で残りの約3割は咳が悪化するなど重症化するリスクが高まります。さらに、無呼吸発作、急性脳症などの合併症を引き起こす可能性もあります。
・顔色や唇の色が悪い
・胸がへこむような呼吸
・呼吸が速い
なぜRSウィルスが増えている?
一昨年や3年前と比べてもこの時期で比べると8〜10倍に増えているRS感染症。
しかし、なぜ昨年と比べて急増したのでしょうか。
それは新型コロナウィルスが関連していると言われています。
昨年急にマスクをすることが多くなったこと、保育園等が休校になったことで、通常であれば免疫がある年齢の子どもたちが免疫を持っていなかったことが原因とされています。
コロナ禍で医療体制が逼迫しているなか、RSウィルス感染症の重症患者が増えた場合の対応も懸念されています。
子どもだけが感染するの?
子どもだけではなく、大人もRSウィルスにかかる場合があります。
風邪のような症状なので気づかない場合もあります。しかし、重症化すると気道炎などを起こす場合があるので注意しましょう。
そのような症状が出た場合は、乳幼児に近づかないようにした方がよいです。
RSウィルス感染症の検査とは?
検査は鼻粘膜のぬぐい液を使うと、15分程度で診断ができます。
とはいえ、決まった治療法がないため、感染を特定する必要性はあまりありません。
ですので、RSウイルス感染症が疑われる全ての患者さんに行うわけではありませんが、赤ちゃんの場合は、入院が必要かどうか迅速に検査をおこないます。
RSウィルス感染症を予防するには?
感染経路は飛沫感染や接触感染なので、一般的な感染症と対処法は同じです。
手洗い
厳重な手洗いと手指の消毒です。石けんと流水でしっかり洗ってください。手指の消毒にはアルコール手指消毒薬を使います。
せきエチケット
マスクの着用が重要です。せきが出ているときは乳幼児との接触を避けます。
おもちゃの消毒
赤ちゃんが触れるおもちゃはできるだけ、アルコール系消毒薬や次亜塩素酸ナトリウムで消毒するか、熱による消毒をしましょう。
まとめ
保育園や幼稚園などで流行るRSウィルス。
重症化するリスクがあるか、そういった年齢なのかということを把握しましょう。
新型コロナウィルスと症状が似ていると言われていますが、慌てず病院を受診するようにしましょう。