【出産体験】27時間におよぶ、私の「和痛分娩」

私は、2年前に出産しました。
近くにある昔ながらの産院で、和痛分娩を選択しました。

出産の一部始終は、まるで昨日のことのようにはっきりと覚えています。これから出産を迎えるママさんたちに、私の経験が参考になればと思い、出産の体験談を書かせていただきますね。

切迫早産、突然の入院に準備時間がとれなくて。

切迫早産、突然の入院
私は切迫早産で、26週からずっと入院していました。正産期を迎えるまではとにかく不安だらけの毎日で、自分では準備ができませんでした。

準備すべきものは、旦那が私の入院中に、赤ちゃん用品店に設置してある「出産準備リスト」を見ながら買い揃えていき、37週でようやく退院した私が用意したものといえば、画質の良いデジカメと、レジャーシートの2つだけでした。

動画も綺麗に撮れる最新のデジカメを買い、赤ちゃんが生まれたらこのカメラで成長を撮り続けようと思ったのです。またレジャーシートは、もし旦那が不在のときに破水等をしてしまったら、タクシーに乗って病院に向かおうと思っていたからです。タクシーの座席を汚してはいけないので、レジャーシートは常に玄関に置いておきました。

今度は産まれる気配が消えてしまって。

退院後、今度はいつまでも産まれる気配がなくなってしまい、退院から2週間のち、バルーンを使って出産を促進させるべく、予定入院の日が決定しました。

入院の日は、デジカメ、着替え、携帯の3つを持って病院に向かいました。

カーテン越しに、3つベッドがある個室に通されました。陣痛から出産までを、この一部屋で終えるようです。

この部屋に通されたとき、「いよいよ私の番なのか」と思った反面、なぜか現実味がなくて、「え?本当に私の番なの?まさかぁ」と、言うなれば宝くじの当選を聞いたような気分でした。

麻酔ルートを確保して準備完了。

入院は19時からでした。まず、浣腸をされました・・・。生まれて初めての体験でした。看護士さんからは、「挿入後は、少なくとも3分間はトイレを我慢してください」と言われました。

私は、「3分なんて大丈夫に決まってるじゃん」と心で笑っていたのですが、3分どころか1分後にはトイレに行きたくて限界になりました。この3分間は、本当に長かったです・・・。

トイレを済ませた後は、麻酔のルート確保をしました。胎児のように背中を限界まで丸め、先生が太い針を、背骨と背骨のすきまに刺すのです。これが本当に痛くて痛くて・・・。背中から伸びたコードは、テープで背中に固定され、そのまま服を通り、首元まで出ていました。注射が苦手な私は、背中から伸びたコードが気になり、背中をベッドに付けないように横向きで過ごしていたのですが、陣痛が始まったらそんなことすぐに忘れてしまいました。

陣痛?! バルーンのせい? 痛くて座っていられない!

続いてバルーン挿入です。これも本当に痛かったです。現物は見ていないのですが、グイグイと押し込まれました。トイレに入ると、バルーンから伸びたゴムの管がビロビロと伸びていて、かなり気になりました。

バルーンを入れてからは、とにかく痛かったです。生理痛を100倍くらいにした感じです。これが陣痛とは分からなかったのですが、同時にお腹につけたNST装置の波形から、看護士さんが「陣痛の間隔が・・・」と話をしているのを聞き、これが陣痛なのかとようやく分かりました。

バルーンのせいか、座ると下半身がかなり痛いです。だから、病院から提供される食事が摂れませんでした。痛みで、座っていられないのです。

導尿の痛みに耐えて、一晩越えて。

バルーンを入れたまま、消灯時間が来ましたが、痛くて眠れるどころではありません。しかも時々、導尿をされるようになりました。毎回、細い管を尿道に入れられるのですが、それも痛いです。だから、飲み物を摂らないようにしました。完全に飲まず食わずです・・・。

陣痛が本格的になってきたのは、翌日の15時くらいからです。それまでにも山はありましたが、頻繁ではありませんでした。でも15時くらいから、周期的にとんでもない痛みに襲われるようになりました。

NST波形は振り切れているけど。

陣痛が来ているときは、お腹が岩のようにカチコチです。「ぎゃぁぁぁ・・・」と悲鳴を上げ、ナースコールを連打し、その都度看護士さんが腰をさすってくれました。腰をさすってもらうと楽になる、とは聞いたことがありましたが、気持ちの問題だと思っていました。でも、本当に楽になるのです。

NSTの波形も、山型どころか、針が一番上まで振り切れてしまい、平行線の横棒状態です。ここからようやく、背骨の間に刺さっている麻酔のチューブが役に立つことになりました。

和痛分娩にしてよかった。

1時間に1回だけですが、首元から出ているチューブのキャップを開けて、麻酔を投下してもらえました。麻酔の効果は絶大で、投下してもらうとすぐに痛みが落ち着きました。でも、効果は15分程度です。またすぐにとんでもない痛みに襲われ、そのたびにナースコールを押すのですが「次の投下時間まであと4分あるから」などと、次の投下時間まで厳密に管理されました・・・。さながら薬物中毒者のごとく、「麻酔麻酔麻酔」とナースコールを連打しては断られてばかりでしたが、和痛分娩を選んで本当に良かったと、今でも心から思っています。麻酔がなければ、私にはあの痛みは乗り越えられませんでした・・・。

1時間に1回くらい、看護士さんか先生が子宮口の開きを確認しに来るのですが、あれだけ痛くて嫌だった内診も、なぜかもう全く痛くもかゆくもありません。麻酔の効果なのでしょうか、それとも陣痛がしんどすぎてもう痛いとかの感覚が分からなくなっているのか・・・。

17時、バルーンを外すと大量の出血。

17時に、ようやくバルーンを取ってもらえました。そして同時に、出血がひどくなりました。産む前から出血するなんて、知りませんでした。生理の多い日の2倍くらいの量の血が、ダラダラと流れていきます。産院で準備してくれていた、見たこともないくらい巨大なナプキンを看護士さんが定期的に交換してくれるのですが、人にナプキンを交換されても、もう恥じらいとか全く感じていない自分がいました。

21時、分娩台へ。

21時に、ようやく分娩台に上がることができました。テーブルクロスのようなシートが乗った、ただの無機質なベッドでした。

導尿されたくないために水を飲んでいないのに導尿され、麻酔も効いているはずなのに普通に痛かったです。そしてさらにショックだったのは、便を強制的に排出させられたことです。手袋をつけた先生が肛門に腕ごと入れ、溜まっている便をかき出されました・・・。はっきり言って、赤ちゃんが出てくるときの10倍くらい、断トツ1位で痛かったです。

立ち会い出産禁止!

嫌な仕事を難なくこなす先生もすごいと思いますが、私はこの件で「立会い出産禁止」にしました。仕事を終えた旦那が廊下で待っており、立会いの元出産する予定だったのですが、「便とかかき出されている私を見られたくない!」と、看護士さんに「旦那来ないで」という旨を伝えてもらいました・・・。立ち会う気だった旦那は、なぜ急に私が拒否したのか分からないようで、今でも「どうして立会いが嫌だったの?」と聞かれることがあります。でも、「便をかき出されたから」とは今でも言えずにいます・・・おそらく一生言えません(苦笑)。

便を片付けてすぐに、左腕に点滴を付けられました。足も、専用の足置きにベルトで固定されました。手元にトレーニング器具のようなレバーがあり、このレバーを握って力を入れると、わりと楽に赤ちゃんを押し出すことができる、というような仕組みでした。

陣痛のNST波形が出ているけど痛みが分からない。

体が分娩体勢に固定されると、なぜか陣痛の痛みが全く無くなりました。ハイテンションだったわけでも、痛すぎて無感覚だったわけでもないはずですが、不思議と痛くなくなったのです。

「陣痛に合わせて力んでね」と言われたのですが、そもそも陣痛を感じなくなってしまったので、痛みが分かりません。仕方なく、横で波形を刻んでいるNSTのグラフを見ながら力を入れることにしました。でも、何も出てくる気配がしません。3回くらい自力で頑張ったのですが、何も変わりません。

押してもらって、スポン。

すると、看護士さんが私の上に乗り、お腹を押して赤ちゃんをスポンと押し出してくれました!

分娩台に乗ってから、たった5分。あっという間の出産でした。しかもある意味、自力では出産していません・・・。

ムービーはちゃんと使えるか要確認!?

その後、廊下で待っている旦那が呼ばれ、ムービーを撮ってもらおうとデジカメを手渡ししました。でも、旦那が使い方が分からないようで、かなりモタモタしていました。そうこうしているうちに、赤ちゃんはあっちに連れていかれ、こっちに連れていかれ・・・。使い方の説明は、事前に打ち合わせをしておくべきでした。これから出産されるご夫婦は、カメラの使い方を今のうちから確認し合ってください!

「分娩時間:27時間」も、良い思い出。

「分娩時間:27時間」も、良い思い出。
母子手帳の「分娩時間」の欄には、「27時間」と書かれました。長かったけど、分娩はあっさりと終わりました。2歳になる我が子は、毎日走り回り、とても元気です!イライラすることもあるけど、でも成長を見ているのが面白いです。これから出産するママさん、大変だけどゴールは近いですよ。頑張ってくださいね!

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