妊娠・出産のタイムリミットは? 何歳まで産めるの? 高齢出産のリスクとは

女性の社会進出、晩婚化により、出産する年齢も年々上がっています。
コロナ禍で結婚や出産を先送りしようと考えている人もいるでしょう。
しかし、妊娠は何歳までできるのか疑問ではありませんか?
もちろん個人差はありますが、高齢出産ともからめてお伝えしていきます。

年齢があがると妊娠しにくくなる?

卵巣中にある卵子の元となる細胞は、ママのお腹の中にいる時が最も多くなり、約700万個あります。
出生児にはその数がすでに減少し、成長した思春期ごろには約30万個に減ります。
さらに、30代半ばになると急速に減少し、40代半ばになると5000個程度となります。
年齢があがるごとに細胞が減少していくため、妊娠する確率がさがるということです。

日本産科婦人科学会が集計している不妊治療成績にしても、20代後半〜30代前半の妊娠率はおよそ40〜45%であるのに対し、40歳で25~30%程度、その後45歳までに10%以下へと急激に低下しています。40歳を超えると、不妊治療をしても、かなり難しい状態となることがわかります。

高齢出産のリスクとは

以前は35歳以上を高齢出産としていましたが、近年は40代での出産も増えています。
どのようなリスクがあるのか把握しておきましょう。

流産の可能性

流産は全妊娠の15%くらいには起こります。
しかし、年齢があがると卵子に染色体異常がおこりやすくなります。

「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」の可能性

「妊娠高血圧症候群」とは何らかの原因で高血圧になることです。40歳以上で約8%発症し、これは35歳未満の妊婦のほぼ2倍になります。
また「妊娠糖尿病」は糖の代謝異常で、35歳以上では20~24歳の8倍ほど発症しやすいとされています。

先天異常の可能性

ダウン症を筆頭とする先天異常も、母親の年齢が25歳の場合1,351人に1人の割合で見られるのに対して、40歳では112人に1人と高い割合を示す、という調査結果があります。

難産の可能性

高齢出産の場合は、子宮頸部が軟らかくなるまでに通常より時間がかかる場合があります。また、産道が広がりにくい、陣痛が弱すぎることから難産傾向があります。

男性側の年齢も出産に関係する!

芸能人などではかなりの高齢でも、女性が若ければ子供を授かることがあります。
しかし、近年の研究で、ある年齢を境に、「受精卵を細胞分裂させる力がない」精子が急増する可能性があるとわかっています。
生活習慣が変わってきているため、見た目が元気でも中身が老化している場合があるということです。
妊娠をのぞむのであれば、男性側も日頃から睡眠不足や肥満などに気をつける必要がありそうです。

高齢出産のリスクを減らすには?

先にご紹介した高齢出産のリスクを減らすにはどうしたらいいでしょうか。

■葉酸の摂取

サプリメントを摂取するのもいいですが、納豆や海苔、イチゴやほうれんそうなど葉酸を含む食材をとるのもいいでしょう。
妊娠初期に脳・脊椎・脊髄におこる先天異常のひとつ「神経管閉鎖障害」は、予防が期待できます。

■体重を増やさない

体重が増えすぎると、高齢出産のリスクであげた「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」に加えて、微弱陣痛のリスクが高まります。
一方で、妊娠前からの栄養が大事とされていますので、痩せすぎもよくありません。バランスのよい食事を心がけましょう。

高齢出産のメリットもある!

高齢出産の場合、豊富な人生経験があるため、精神面、経済的なゆとりもあります。
20~30代のうちに、自分のしたいことを満喫した上で母親になるため、子育てに情熱を注ぎやすくなります。
リスクばかりが注目されがちですが、メリットもあるので、妊娠を望む人は体調を整えておきましょう。

まとめ

結局、何歳でも妊娠し、無事な出産をした人がいるので、「何歳まで産める」と明確にいえるわけではありません。子宮にも「子宮年齢」があるとされているので、はっきりした答えはありませんが、年齢があがるとともにリスクもあがるということは覚えておきましょう。

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