赤ちゃんに粉薬を処方されたら、どのように飲ませたらいいのかご存知でしょうか?多くの赤ちゃんは薬が苦手です。どうしても飲むことを嫌がったり、うまく飲み込めなかったり、なかには泣き出してしまう、なんて子も・・・。
今回は、赤ちゃんに薬を嫌がらずに飲んでもらえる方法や、実はNGな飲ませ方などをご紹介していきます。
粉薬の飲ませ方 その1 〜まずはこの方法で飲ませてみよう〜
赤ちゃんの粉薬の飲ませ方は1つではなく、いろいろな方法があります。それは、赤ちゃんによって合う・合わないがあるから。
そのなかでも、薬剤師さんに一番勧められるのが「練り薬をつくる」という飲ませ方です。粉薬の飲ませ方がまったくわからなければ、まずは練り薬にして飲ませてみてください。
練り薬をつくる
粉薬をペースト状に練ったものを、上あごに貼りつけて飲ませる方法です。赤ちゃんの上あごには味を感じる味蕾がないため、それを利用して粉薬を飲ませます。なお、ママの手を赤ちゃんの口の中へ直接入れるので、指先で傷つけないようにしてくださいね。
◇飲ませ方◇
- ママの指先を重点にしっかりと手を洗う
- 小皿に粉薬を出し、スポイトで水を数滴垂らす
- 歯みがき粉くらいのペースト状になるまで粉薬を指先で練る
- 練った粉薬を赤ちゃんの上あごや頰の内側に貼りつける
- 赤ちゃんに水や麦茶などを飲ませて薬を流しこむ
- 水を多く垂らさないためスポイトを使用するので、もしもスポイトが無い場合には、お箸の先に水をつけて粉薬に垂らす
- 練った粉薬を舌の上に乗せてしまうと薬の味を感じてしまい、吐き出す可能性があるため、舌に付かないように注意!
- 何回も連続でやると嫌がって受け付けなくなるため、できるだけ少ない回数で済ます
液体に溶いて飲ませる
1番シンプルな飲ませ方なので、この方法で飲んでくれるとママも大助かり!ですが、粉薬の味によっては赤ちゃんが嫌がってしまうことも・・・。
◇飲ませ方◇
- 小さなコップなどの容器に粉薬を入れる
- 少量の水かぬるま湯を加え、よくかき混ぜたものを飲ませる
- 薬を飲み終えたら、水かぬるま湯だけを飲ませ、薬をしっかり流しこむ
- 溶かした粉薬は底に残ってしまわないように、混ぜたら沈殿しないうちに飲ませる
粉薬の飲ませ方 その2 〜嫌がる赤ちゃんにはこの方法を試してみよう〜
「ペースト状に練っても、水で溶かしても粉薬を飲んでくれない!」、「どうしたら嫌がらずに飲んでくれるの?」
どうしても薬を飲んでくれずに嫌がる赤ちゃんには、以下の方法を試してみてください。
アイスやヨーグルトに混ぜる
冷たい方が薬の苦味が緩和されるため、アイスやヨーグルトに混ぜてあげると、抵抗なく口に入れて飲み込んでくれることが多いです。
◇飲ませ方◇
- 容器にアイスやヨーグルトを入れる
- そこに粉薬を振りかけ、よく混ぜ合わせる
- スプーンで赤ちゃんに食べさせる
- 粉薬をアイスやヨーグルトに振りかけるだけだと、薬の苦味を感じてしまうため、必ずしっかりと混ぜること
- 苦味の強い粉薬の場合、バニラアイスよりもチョコアイスの方が苦味を感じにくい
ゼリーに混ぜる
ゼリーのチュルンとした喉越しと一緒に、粉薬を口の中へ入れてしまう方法がコチラ。濃い味のゼリーの方が、苦味を隠しやすいですよ。
◇飲ませ方◇
- 容器にゼリーを入れてスプーンで潰す
- そこに粉薬を振りかけ、よく混ぜ合わせる
- スプーンで赤ちゃんに食べさせる
- 薬が混ざっていないゼリーを最初に与え、安心させてから薬入りのゼリーを食べさせた方が成功しやすい
粉薬の飲ませ方 その3 〜市販の服薬ゼリーで飲ませてみよう〜
「もっと簡単に薬を飲ませたい!」、「薬との飲み合わせが不安・・・」
それならば、市販の服薬ゼリーが断然おすすめ。粉薬との食べ合わせを気にせずに、ほぼ何でも組み合わせてOKなんです。これがあれば、粉薬を美味しく簡単に与えることができます。
おくすり飲めたね(ぶどう味)
合成着色料・保存料不使用。ローカロリー・ノンシュガー・ノンアレルゲンなのが嬉しいゼリー状のオブラート。苦味を隠すだけでなく、ゼリーが喉に詰まらないようになっているから安心です。ほかにもピーチ味、いちご味があります。
◇飲ませ方◇
- 開封後に出てきた水分を捨てる(薬が包みにくくなるのを防止)
- 容器にゼリーを入れる
- ゼリーの上に粉薬を乗せる
- その上にゼリーをかぶせ、薬を包み込む
- スプーンで赤ちゃんに服用させる
- フルーツ味は抗生物質と混ぜると苦味が増すことがあるので、抗生物質などの苦い薬はチョコレート味で飲ませる
おくすり飲めたね(チョコレート味)
こちらのゼリーは特に苦い薬や抗生物質などの服用に適しています。ノンカフェインで赤ちゃんに負担がなく、チョコレートで苦味をカバー。ゼリーで薬をサンドイッチのように挟むフルーツ味と違い、ゼリーに混ぜて服用させます。
◇飲ませ方◇
- 開封後に出てきた水分を捨てる(薬が包みにくくなるのを防止)
- 容器にゼリーを入れる
- ゼリーの上に粉薬を乗せる
- その上にゼリーをかぶせ、薬を包み込む
- スプーンで赤ちゃんに服用させる
お薬じょうず服用ゼリー 顆粒タイプ(いちご味)
水で溶かす顆粒タイプの服用ゼリーです。酸性の食品と混ぜると苦味が出てしまう薬にも使用可能で、1回ずつ使い切りの分包だから衛生的。すっきりした甘さのいちご味が、薬の苦味を緩和してくれます。
◇飲ませ方◇
- 容器に1包を入れる
- 水を小さじ2杯加えて、かき混ぜる
- ゼリー状になり、とろみがついたら薬を混ぜ合わせる
- スプーンで赤ちゃんに服用させる
粉薬のNGな飲ませ方
赤ちゃんに薬を飲ませる際、ただ飲ませればいいのではありません。薬との組み合わせによっては、かえって苦味が強くなってしまったり、食材そのものが嫌いになってしまうこともあるため、注意が必要です。
主食に混ぜるのはNG
赤ちゃんの主食となるものに、栄養価の高いものに混ぜてはいけません。
これをきっかけにしてその主食が嫌いになってしまうことがあります。
ミルクに混ぜるのはNG
こちらも普段飲んでいるミルクの味と変わってしまいます。これをきっかけに、ミルク自体を飲んでくれなくなる可能性も。まだ離乳食開始前で、栄養のほとんどをミルクから得ている赤ちゃんには死活問題です!!加えて、薬によっては薬効成分が効かなくなる恐れもあるため避けましょう。
酸味のあるジュースに混ぜるのはNG
グレープフルーツなど、酸味のあるジュースに混ぜると、薬の味が余計に苦くなってしまうことがあります。抗生剤との組み合わせがよくないことが多いため、避けた方が無難です。
温かい飲み物に混ぜるのはNG
温かい飲み物に混ぜると、薬の苦さが強調されやすくなります。また、温度によっては薬の成分が変わってしまうこともあるので、常温もしくは冷たいものに混ぜて与えてあげましょう。
注意点
組み合わせによっては、上記のようにせっかく処方された薬の効果が無駄になってしまうため、自己判断は禁物です。少しでも「?」と思ったら、迷わず薬剤師に確認をしましょう。
また、薬を受け取る際には、あらかじめ飲み合わせを確認しておくと安心です。
薬を吐き出してしまったら?
せっかく粉薬を飲んでくれても、残念ながら薬を吐き出してしまうことがあります。そんなとき、吐いてしまったのが飲んでから30分以内であれば、薬をもう1回分飲ませてあげれば大丈夫。ただ、すぐに飲ませようとするとまた吐いてしまいやすいため、少し間を開けましょう。
もしも薬を飲んでから30分以上経っていた場合は、すでに薬の成分を吸収している可能性があるので、飲み直しは不要です。
薬の時間に眠っていたら?
服用時間に赤ちゃんが眠っていたら、無理に起こさないであげてくださいね。元気になるために、睡眠はとっても大切です。それに、スヤスヤと寝ている赤ちゃんを起こしてしまうと不機嫌になってしまい、薬を飲んでくれるどころじゃなくなります。
そんなときは、飲ませる時間をずらしましょう。子供用の薬は、1時間くらい飲む時間がズレたとしても、効果に問題ないのがほとんどです。とはいえ、なかには時間をキッチリ守らなければならない薬もあるため、こちらも事前に薬剤師に確認を。
飲み忘れてしまったらまとめて与えていいの?
正解はバツ!飲み忘れたから2回分飲ませようなど、薬をまとめてしまうと効き目が高くなりすぎたり、副作用の心配も出てきてしまいます。薬をまとめて飲ませるのは絶対に絶対に避けてください。
薬が飲めたら褒めてあげよう!
誰だって褒められたら嬉しいものです。お薬をイヤイヤながら飲めたとしても、ちゃんと飲めたら抱きしめて思いっきり褒めてあげましょう。そうすることで、薬を飲むイコール褒めてもらえると認識し、薬を飲むことに抵抗がなくなってきます。
最後に
大人は粉薬が苦手でも、なんとかして飲めますよね。でも、赤ちゃんはそう簡単にはいきません。だからこそ、粉薬を処方されたら飲ませる工夫が必要になってきます。
いろいろな飲ませ方があるので、飲んでくれなかったとしてもめげずに、自分の赤ちゃんに合う飲ませ方を見つけてくださいね。