メジャーでも活躍を見せ、人気の高まっている大谷選手。彼が高校1年生の時に作った「目標達成用紙」が注目されています。彼の母校である岩手県花巻東高校で導入している目標達成用紙とは何か。その作り方や子育てにつながるヒントをご紹介していきます!
夢をかなえた大谷翔平選手がしたこととは?
野球界では珍しい、投手と野手の二刀流を実現してきた大谷選手。
現在はメジャーリーガー(ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム所属)として活躍し、「100年に1人の超逸材」とまで呼ばれ、世界中から注目されているすごい選手です。
野球が大好きな子供たちにとって、大谷選手は憧れの存在だという人も多いでしょう。彼はプロ入り前の高校3年の夏におこなわれた岩手県の大会で、アマチュア野球史上初の160㎞/hを記録したことでも有名になりました。
大谷選手は小学2年から野球を始め、小学6年の頃にはリトルリーグで活躍していました。当時から剛速球の持ち主で、野球以外にも水泳も習っていたそうです。
とにかく体を動かすことが大好きな活発な少年が、自分の持ち味を伸ばして一流の野球選手になれたのは、高校の野球部の時に作った「目標達成用紙」(マンダラート)であるとされています。
母校である岩手県花巻東高校の野球部の佐々木監督は、部員一人ひとりが夢を叶える上で大切な目標達成用紙(マンダラート)を導入しています。
大谷選手の夢を叶えた「目標達成用紙」とはいったいどんなものなのか、その作り方や子育てにつながるヒントをご紹介します。
目標達成用紙(マンダラート)81マスとは?
誰でも一度は「目標」を立てたことがあると思います。
では、その目標に向かって、どんなことをしたか覚えていますか?
目標を達成するために何をするべきなのか。この部分をしっかり考えておかなければ、達成への道がわからなくなったり、途中で諦めてしまったりするケースが多いのです。
大谷選手が使った「目標達成用紙」はマンダラートとも呼ばれている発想法の一種です。用紙に書かれた3×3のマス目を使って、無限に発想をし、アイデアを広げていきます。
中心部に高めの目標を置く
マス目の中心部には一番優先順位の高い目標を置きます。その目標に関連したことを、周囲の8マスを使って考えていくのです。1マスにアイデア1つだけなので、いろんな視点でアイデアを繰り広げられますね。
目標達成用紙(マンダラート)を作る上で、一番大切なことは「目標の周囲8マスをすべて決める」ということになります。
8マスすべて埋まったらアイデアをさらに広げる
基本の3×3のマスが埋まったら、さらに3×3のマス目を作っていきます。
この時、中心となるのは1回目で作った8つのアイデア。それぞれを3×3のマス目中心部とします。すると、1回目に作った目標に対する8つのアイデアと、2回目に作った3×3のマス目がアイデア8つ分で、合計81マスの目標達成用紙が完成します。
このように、そのアイデアを達成するために、さらにアイデアを考えていく……。これが目標達成用紙の作り方です。
大谷選手が高校1年生の時に作った用紙はコレ!
最近、大谷選手が高校1年生の時に作った目標達成用紙がすごい! と話題になっているのはご存じですか?
すべては「ドラ1」のために発想
大谷選手は自分が将来、野球選手として活躍するために「8球団からドラフト1位指名」という高い目標を掲げました。これは当時、尊敬していた同じ高校の先輩・菊池雄星選手(現・埼玉西武ライオンズ)が6球団からドラフト指名を受けたことで、それを上回る目標を設定したのです。
その目標を達成するためには何が必要だと考えたのか、周囲の8つのアイデアにはこんなことが記してあります。
2.コントロール
3.キレ
4.メンタル
5.スピード160㎞/h
6.人間性
7.運
8.変化球
この8つのアイデアをさらに3×3にし、81マスの目標達成用紙を完成させました。マス目それぞれの項目には、目標をクリアするまでのアイデアがたくさん書かれています。たとえば、「運」という言葉を際立たせるために、試合のことだけではなく、「ゴミ拾いや審判さんへの態度」というものまで含まれています。
彼は常日頃からドラフト1位で指名されるために、何をするべきかということを考えていたことになります。
高校3年には人生設計もしていた!
目標達成用紙が注目されたのは、大谷選手が高校1年の時に書いたものが素晴らしかったからでした。
その後、大谷選手が高校3年の時には、今後の野球においてだけではなく、人生設計も書かれていたのです。
たとえば・・・
26歳:結婚
28歳:男の子誕生
31歳:女の子誕生
33歳:次男誕生
37歳:長男が野球をはじめる
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41歳:日本に帰ってくる
まだ先の話も含まれていますが、考えてきた目標は年齢に若干のズレがあるものの、ほぼ達成しています。
子育てにおける目標達成用紙のメリットとは?
マンダラートを使って何か目標を立てることで、子供たちが自分自身でどう行動をするべきなのかが見えてくる、あるいは、それについて考えるきっかけになるのではないでしょうか。
目標達成用紙を作ることで、子供にどのようないい影響があるかをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
- 自ら進んでお手伝いするようになる
- 休日もダラダラとした行動をしない
- 今、何をすべきなのかがわかるようになる
- 考え方が豊かになる(アイデアを生み出す)
- やる気をアップさせる
- 自分の意見をはっきり伝えられる人に育つ
- 相手のことを考えてあげられる
- やればできる! という思いが高まる
もちろん目標達成用紙を作ったからといって、必ずしもみんながこのようになるとは限りません。
人によって個人差はありますが、具体的な目標をしっかり立てて行動するということは、とても大切なことです。小さいうちから意識して行動するのは理想的なことですね。
目標達成用紙を作る際に大切なこと
目標達成用紙の作り方はとても簡単ですが、立てる目標そのものについて理解しなくては、作成する意味がなくなってしまう場合があります。
まず、目的と目標の違いを押さえておきましょう。
目的:到達地点。ゴール
目標:目的に向けておこなう行動
たとえば「6時に起きる」がゴール(目的)であれば、それに向けて早く寝たり、宿題を○時までに終わらせたりすることが、行動(目標)となります。目標と目的が曖昧だと、それに関連させるアイデアまであやふやになってしまい、子供たちもしっかり行動できずに終わってしまいます。
目標達成用紙の中心となるのは、一番目指したい「目的」の部分になります。お子さんと一緒に作る場合は、決して親が指図してはいけません。それよりも、挫折しない程度の高さの目標にするのがポイントのひとつです。
まとめ
子供の頃から活発的な少年だった大谷翔平選手ですが、自ら作った目標達成用紙により、努力を重ね、メジャーリーガーとして大活躍するまでになりました。
親としては子供の才能を伸ばし、成長を見守ってあげたいですよね。
まずは子供が目に見え、実行できるような目標を一緒に考えてあげてはいかがでしょうか。