男性の育休は法律で認められているものの、取得率はとても低く、まだまだ一般的ではありません。しかし、その男性育休が変わろうとしています。
今回は国会で審議されている育児・介護休業法の改正法案についてご説明していきます。
新しい男性育休の「出生児育児休業」
新しくなる男性育休である「出生時育児休業」は、出産直後に男性が育休を取りやすくするための仕組みです。
出産してから8週間で合計4週間育休がとれるようになります。
しかも、この4週間の育休は2回に分けて取得することあできるため、長期間休むことが難しいという場合でも、繁忙期を避けてとるということができるため、取得しやすくなりそうです。
男性育休「義務化」とはどんなもの?
「義務化」というと、必ず男性が育休をとらなくてはならないように聞こえてしまいますが、これは企業向けの義務化なのです。
つまり、企業側から従業員へ「育休を取ってもいいけど、どうする?」と育休を取得できる旨と意思確認をする義務があるということになります。
その際は、「とらないよね?」という意味を言外に込めるのではなく、育休を推進することが趣旨となります。
育休中でも働けるの?
育休中とはいっても、生後8週間であれば、育休取得日数の半分を上限に仕事をすることも認められています。
在宅ワークが普及していますから、育休中でも仕事が少しはできるということで取得もしやすく、雇用側と相談すれば収入も望めます。
現在の男性の育休取得率は?
改正育児・介護休業法が施行された2010年当時は1.38%にすぎませんでした。
6年連続で上昇し、6.16%まで伸びたものの、「2020年までに13%」という政府の目標にはまだまだ到達していません。
「義務化」することによって、「休みにくい」という職場の雰囲気を変えていくことが目的の一つにもなっています。
厚生労働省は、これらの法整備を通じ、2025年までに男性の育休取得率を30%まで引き上げたい考えのようです。
男性の育休中の給料は?
勤め先の会社や事務所の制度にもよりますが、男性が育休を取得すると給料がもらえなくなることがあります。ただし、以下の条件を満たしていれば雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。
● 育児休業を取得するときに、1歳未満の赤ちゃんを育てていること
● 雇用保険の一般被保険者であること
● 育児休業に入る前の2年間のうち、11日以上働いた月が12ヶ月以上あること
金額は育休開始時の賃金の67%(7ヶ月以降は50%)ですが、社会保険料が免除されるため、収入の8割程度が保障されることになります。
ただ、支給額には上限があり、最初の6ヶ月は約30万円、7ヶ月以降は22万円となります。
問題点やデメリットは?
一方で、男性の育休を義務化することへの問題点もあがっています。
たとえば、「中小企業にとっては負担が大きい」「収入面に影響があるのではないか」「そもそも女性も義務化すべき」などです。
現段階では、企業に対するサポートや個人負担へのサポートなど、取り組みかも含めて議連で検討していくそうです。
導入している企業はある?
法制化を前に、すでに男性の育休を義務化している企業はあります。
2023年4月からは、従業員が1001人以上の大企業では、男性の育休取得率の公表が義務付けられることになります。これらは育休を取りやすい風土を作るための施策として、企業側に意識づけをするものとなります。
<三菱UFJ銀行>
2歳未満の子供を持つすべての男性行員に約1ヶ月の育児休業の取得を義務づけ。
<積水ハウス>
3歳未満の子を持つ男性社員に1ヶ月以上の育児休業取得を義務づけ。
<リクルートコミュニケーションズ>
正社員・専門社員・契約社員を対象に男性の育児休暇を最大で20日。うち5日は義務化。
ほかにも、「JAL」「メルカリ」「大東建託」「大和證券グループ」「」サンヨー食品」「丸井グループ」株式会社ワーク・ライフバランス社による「男性育休100%宣言」に賛同し、育休を取りやすい組織づくりを進めている企業はたくさんあります。
先輩パパママのご意見は?
「おはママ交流広場」でも、男性が育休をとることについて、様々な意見が飛び交っていました。
私は子育て時期に体調上の理由からアルバイト+転職活動中で時間があったので育児にがっつり関わっていました。実際に子育てしてみると女性の方々が育児の何に悩んでいるのかを実感できました。またしっかり子供に関わることで懐いてくれるのも早いですし大泣きしても対応の仕方がわかるので外でも慌てなかったりといいことが多かったですね。
個人的には男性の育休が義務化するくらいになったらいいなぁと思います。
奥さんの事を思って献身的にサポートしてくれる旦那さんもいるだろうし、育休を理由に仕事を休んで何も手伝わずかえって奥さんの負担になる旦那さんもいるでしょう。一概には言えないでしょうね。
今の世の中、まだまだ男性の子育ての参加率が低く、女性がやらざるを得ないと言う状況でもあり、そうするとやはり母親向けの子育て支援と言うことになりそうするとどうしても母親が子育てするものと言うイメージが消えないのです。
男性が子育てに参加しやすいような施設だったり支援だったり集まる場だったり、女性よりももっともっと手厚くすることで他の男性も子育て頑張っているんだと言うことが見えれば頑張ろうと言う気になる人も増えてくると思います。
今回のコロナ騒動で感じたのは、体調が悪い時は休める社会になることが大切だと思います。軽い風邪だと仕事に行ってしまう風潮がウイルスを広める原因にもなったと思うので。
リモートワークなどもどんどん進めば、満員電車の解消にもつながるし仕事の効率だってアップすると思います。サラリーマンでも働いている親の背中を見せられるのは良いことなのではないでしょうか。
まとめ
一口に「育休」といっても、業種によって仕事内容によって、そもそも家庭環境によっても、その考え方や必要性は変わってきます。
良い面も悪い面も併せ持つこの「義務化案」ですが、どちらにしても、子育てがしやすい方向に進むといいですね。