赤ちゃんの離乳食はママの最大の悩みの一つですが、中でもとくに気になるのがアレルギーのこと。とくにアレルギー食材として知られる卵はいつからあげていいのが悩みます。こちらでは厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」をもとに赤ちゃんに卵を与える時期についてまとめてみました。
卵はなぜアレルギーを起こしやすいの?
日本では食物アレルギーの約40%は、卵が原因と言われています。人間の体は異物が侵入した際にアレルギー反応を起こしますが、誤ってタンパク質を異物だとみなしてしまうことがあり、そのようなときにアレルギー反応が出てしまうのです。
タンパク質にはアレルギーを起こしやすい構造のものとそうでないものがあります。量が多いからといってアレルギーを起こしやすいわけではありません。タンパク質の塊である肉よりも卵や牛乳がアレルギーを起こしやすいのがその証拠です。
赤ちゃんに卵を食べさせるのはいつから?
赤ちゃんの離乳食はお粥から始まり、野菜→果物→豆腐→白身魚→卵黄→全卵→肉類→豆類というように食材を増やしていきます。国のガイドによると、離乳食初期(5~6か月)には卵黄を少量、離乳食中期(7-8か月)には卵黄1~全卵1/3に増やします。
しかし、実際にはアレルギー予防のため中期まで卵を与えないママが多いようですが、実はこれはNG!与える時期を遅らせたからと言ってアレルギーを防げるということは立証されていません。またアレルゲンが皮膚から入った時の方が食物によるアレルギーを発症しやすいというデータがあり、離乳食を遅らせるよりも日常生活の中でアレルゲンに触れないようにすることの方が大事です。
卵の与え方の目安
離乳初期 | 離乳中期 | 離乳後期 | 離乳完了期 |
---|---|---|---|
生後5~6か月頃 | 生後7~8か月頃 | 生後9~10か月頃 | 生後12~18か月頃 |
卵黄少量 | 卵黄1~全卵1/3 | 全卵1/2 | 全卵1/2~2/3 |
赤ちゃんに卵を食べさせる際の注意点
赤ちゃんに卵を与える際にはまずは加熱した卵黄を少量からスタートします。過熱したからといってタンパク質の構造が変化するわけではなく、基本的にアレルギーが発症しなくなるわけではないのですが、卵は他の食材に比べて構造がもろいため加熱することでアレルギーの発症をある程度抑えることができます。
赤ちゃんに初めて卵を与えるのは念のため病院が開いている平日の午前中がおすすめです。またアレルギーは摂取後2時間以内に症状が現れることが多く、じんましんや咳などの症状が出た場合にはすぐに受診しましょう。また気道の粘膜が腫れて呼吸困難を起こすこともありますので目に見えない分注意が必要です。そのほかにも腹痛、嘔吐、下痢など消化器系の症状を起こすこともあります。
赤ちゃんの卵アレルギーは成長すると治るの?
近年卵アレルギーを発症する赤ちゃんは増えています。ただ、国のガイドではママが妊娠中や授乳中に卵を食べたから赤ちゃんがアレルギーになったというのは誤りだと解説しています。
また赤ちゃんが卵アレルギーを発症したとして成長とともに治る可能性が高いようです。むしろ6歳以降に発症したアレルギーの方が成人しても治りにくいと言われています。赤ちゃんは、成長とともに消化器官の働きや免疫力がアップするのでアレルギー反応を起こしにくくなるのです。より確実にアレルギーを治したいという場合には医師に相談するのがおすすめです。
卵を使ったおすすめの離乳食レシピ
卵は加熱したものをお粥やうどんに乗せたりするのはもちろん、ハンバーグのつなぎやフレンチトースト、お好み焼きなどいろいろなお料理で活躍します。
まとめ
卵アレルギーはときに命を落とすほど危険です。ママたちが離乳食で卵をあげるのを躊躇する気持ちはわかりますが、国のガイドラインに沿って生後5~6か月から卵黄を少しづつ与え、徐々に全卵を与えるように進めていくことが大事です。アレルギーは成長とともに改善されることもあるのであまり神経質になり過ぎず、赤ちゃんに食べ物を食べる楽しみを伝えていきましょう。