妊娠中に栄養をとらなかったり、ダイエットをしたりすると、赤ちゃんに影響を与えてしまうことがあります。もちろん、つわりなどで食べられないこともあるかと思いますが、なるべくタンパク質やミネラルなどをバランスよくとるようにしましょう。
今回は、妊娠中の栄養についてご説明します。
妊婦はなぜ栄養不足になりやすい?
妊娠中は栄養不足になりやすいと言われています。
その原因についてご説明しましょう。
つわりによる食欲低下
多くの妊婦さんが経験するつわり。人によって症状や期間は違いますが、吐き気があると食欲がなくなったり、嘔吐したりします。
すると、栄養不足になってしまいます。無理をする必要はありませんが、水分も受けつけなくなったら受診しましょう。
食べ物の好みの変化
妊娠すると食べ物の好みもかわります。
食べられるものばかり食べていると、栄養バランスが偏ってしまいます。
甘いものや味の濃いものを好むようになった場合は、カロリーは摂取していても栄養が偏るので、食べすぎないようにコントロールしましょう。
一度に食べられる量が減少
妊娠後期に入ると、子宮が大きくなり、胃腸を圧迫するため、一度に食べられる量が減ります。1回の量は減らしても、野菜やたんぱく質をしっかりとるようにしましょう。
妊婦が栄養不足になるとどうなる?
赤ちゃんの健康や特定の病気のかかりやすさというのは、胎児期の環境の影響を強く受けているという説があります。
つまり、この時の環境によって、赤ちゃんの遺伝子が変化するということになります。
妊娠中の栄養不足やダイエット、精神的なものも含めたストレスという悪い環境がゆくゆくは生活習慣病の原因となってしまうことになります。
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赤ちゃんも偏った栄養状態になる
↓
遺伝子が生活習慣病になりやすい遺伝子に変化
↓
将来、その子の食生活が乱れると生活習慣病を発症する
摂ったほうがよい栄養素とは?
厚生労働省は妊娠時に必要なエネルギー量を発表しています。
それによると、以下のようになっています。
妊娠14週0日〜27週6日で+250kcal
妊娠28週0日以降は+450kcal
また、栄養素についても、妊娠前より多く摂取したほうがいいものがあります。
鉄:妊娠初期 +2.5mg/日 中期・後期 +9.5mg/日
葉酸:妊娠初期サプリで+400μg/日 妊娠中期・後期に食事で+240μg/日
上記の摂取が推奨されています。
妊娠中に必要なエネルギー量や栄養素をしっかり知って、意識的に栄養を摂るようにしましょう。
栄養不足にならないような対策は?
妊娠初期
妊娠初期に栄養不足でも、つわりの症状がおさまれば解消されることがほとんどです。この時期は母体が備えている栄養で成長できるので、つわりで食事が十分に取れなくても大丈夫です。
ただ、あまりに栄養不足が続くと母体に悪影響が出ることも。その時は病院を受診するようにしましょう。
妊娠中期
中期に入ると、つわりから解放される人が多いですが、食欲が増して、食べたいものばかりを食べていると栄養バランスが悪くなります。食欲が回復したら栄養バランスを考えるようにしましょう。
妊娠後期
後期はまたつわりになったり、お腹が圧迫されたりして、一度に食べられる量が減ります。食事の量は減っても、野菜やたんぱく質をしっかりと摂りましょう。
食生活のポイントとは
エネルギー量やたんぱく質を増やし、鉄分やカルシウムをしっかりとることが必要になります。栄養素の吸収率も高くなりますので、まずは赤ちゃんへの栄養を送るために「主食」「主菜」「副菜」をバランスよく食べましょう。
特に和食はとても栄養バランスがよいとされています。
②”旬の食べ物”が体の調子を整える
旬の食べ物は、「暑いときには暑さに負けない」「寒い時には寒さに負けない」ための栄養にあふれています。旬の食材たっぷりのものはやわらかくて消化もよいので、赤ちゃんの離乳食にもぴったりです。
③香味野菜が代謝を高める
ねぎや生姜、香辛料など、香りや色の成分には、代謝を高める働きがあります。好みに合わせて美味しく食べるようにしましょう。胃腸の消化吸収もよくなります。
まとめ
妊娠中は栄養不足になりやすいということも忘れないようにしましょう。必要な栄養素が不足すると、ママの体調や胎児の成長に影響を及ぼすので、推奨量をしっかり摂取することが大切です。
栄養不足に気をつけながらバランスが整った食事を心がけましょう。