産後うつはどうしてなるの?原因と対策

「産後うつ」って知っていますか?
最近はテレビや新聞などで取り上げられることも増えていますね。
出産後は赤ちゃんの健康や成長だけでなく、ママのメンタルにも気配りが必要です。
産後であれば誰でもかかる可能性がある「産後うつ」。
その原因や対策について説明したいと思います。

産後うつとは?

その名前どおり、出産後におこる「うつ病」のことです。
症状としては体や気持ちに様々な不調があらわれます。

  • わけもなくイライラしたり、気持ちが落ちこんだりする
  • 体がだるく、疲れやすい
  • 何も楽しいと思えず、やる気が出ない
  • 眠れなかったり、眠りすぎたりする
  • 食欲がわかず、食事がおいしいと思えない
  • 頭痛や肩こり、動悸や息苦しさを感じる

これらの「うつ病」の症状に加えて、育児について悲観的、後ろ向きになってしまうのも「産後うつ」の特徴です。
赤ちゃんのちょっとしたことが気になり「何か大きな病気や障害があるんじゃないか」ととても不安になったり、「この子は私のことを嫌いなんじゃないか」と感じたり…。
かわいいはずの我が子をかわいく思えず、母親としての自信をなくすこともあります。

出産した人の10%~15%が「産後うつ」にかかるといわれています。
この数字からも「産後うつ」は他人事ではない、本当にとても身近なものだとわかりますね。

「マタニティブルー」と「産後うつ」どう違うの?

「マタニティブルー」と「産後うつ」どう違うの?
出産後は精神的に不安定になることが多いもの。なんだかイライラしたり涙が出たり…。
「マタニティブルー」と「産後うつ」、似ていますがどう違うのでしょうか?

マタニティブルー

「マタニティブルー」は産後の30%~50%が経験するといわれています。
主な原因は、出産でホルモンバランスが大きく変化すること。
産後2~3日から気持ちが不安定になったり、眠れなくなったり、不安になったりと、様々な症状があらわれます。
ただ、これは病気ではありません。
何も治療をしなくても、10日~数週間で症状は消えていきます。

産後うつ

一方で「産後うつ」は症状は似ていますが、「うつ病」という病気です。
ホルモンバランスの変化に、育児疲れや周囲からの孤立など、様々な原因が重なっておこります。
産後数週間~数か月たってから症状がでることが多く、数週間たっても良くなりません。

また、「マタニティブルー」から「産後うつ」になることもあります。「マタニティブルー」が長引いて、なかなか症状が良くならない場合は「産後うつ」になっているかもしれません。

「産後うつ」ってどうしてなるの?

「産後うつ」の原因は一つではありません。
さまざまなことが重なっておこると考えられています。

ホルモンバランスの変化

妊娠、出産を通して、ママの体のホルモンバランスは大きく変化します。
産後は、急激なホルモンバランスの変化についていけず、心も身体も不安定な状態になります。

育児のストレス

24時間、気の休まることのない育児。
生活は赤ちゃん中心になり、家事どころか、睡眠も食事もトイレですら、ママの思うようにはなりません。
とくに初めての育児では、わからないことだらけ。
一日中、赤ちゃんと向き合う生活で、身も心も疲れ切ってしまいます。

孤立した生活

赤ちゃんがいると外出もままならず、どうしても人と会う機会が減ってしまいます。
実家が遠く、パパの帰りが遅い場合は、一日誰とも話していないなんてことも…。
また、育児の悩みをパパに話しても、なかなか理解してもらいにくいもの。
孤立した育児で、ママはどうしても一人で抱え込んで、頑張ってしまいがちです。

「産後うつ」になると、「自分が弱いから」「母親失格だから」などと、自分自身を責めてしまう人もいます。
でも決して、そうではありません。
ホルモンバランスや環境の変化で、産後は誰にでも「産後うつ」になる可能性があるのです。

「産後うつ」予防や対策はどうすればいい?

つらい「産後うつ」。
育児がつらくなりすぎてしまわないように、できることはあるのでしょうか?

産後1ヶ月はサポートしてもらえる人を探しておく

ママの体がある程度回復して、赤ちゃんとの生活に慣れてくるまでは本当に大変!
そばでサポートしてくれる家族や親せき、友人がいれば安心です。

睡眠時間を確保する

睡眠不足は心も体も不安定にします。
夜も細切れ睡眠になりやすいので、日中も赤ちゃんと一緒に寝るようにしましょう。
休日にパパにまかせてママの睡眠時間をつくってもらうのもオススメです。

完璧にやろうとしない

家事と育児、どちらも完璧にこなすなんて至難の業!
完璧主義で責任感が強い人ほど「産後うつ」になりやすいといわれています。
料理が手抜きになっても、部屋がちらかっていても、ある程度しかたのないこと。
無理をしすぎないようにしましょう。

育児マニュアルにとらわれない

赤ちゃんは個人差が大きいもの。マニュアル通りには成長してくれません。
赤ちゃんについて心配事や不安があれば、地域の保健師さんやかかりつけのお医者さん、乳児健診のときなどに相談してみてくださいね。

周りに話す、甘えてみる

悩んだら、誰かに話を聞いてもらいましょう。
話すだけでも気が楽になりますよ。
手伝ってもらえる人がいるなら、遠慮せず手伝ってもらうことも大事です。

ママ同士で情報交換

ママ友というと良いイメージばかりではないかもしれません。
でも、悩みは同じ立場でないとわからないことも多々あります。
実家が遠方だったりすると、近くに助けてもらえる友達がいると心強いものです。

育児支援サービスなどを利用する

自治体ごとにいろいろな育児支援サービスがあります。
家族のサポートだけでなく、利用できるものは利用しましょう。
地域の保健センターなどで、サービスの情報は教えてもらえます。

つらい症状が長引く場合には受診を

もしかして「産後うつ」かも?と思ったら、一度病院に相談してみましょう。
「産後うつ」は、周囲のサポートや時間の経過で、軽症のまま軽快することもあります。
ただ重症になると、治るのに何年もかかったり、自分で死を選んでしまうことも…。
初めから精神科や心療内科に行くのはちょっと…というときには、地域の保健センターや産婦人科に相談してみるのもいいですよ。

まとめ

いかかでしたか?
「産後うつ」の対策は、とにかく頑張りすぎないこと!
育児はママ一人でしなければならないものではありません。
うまくいかないことがあっても、ママだけの責任ではありません。
ママのためにも、赤ちゃんのためにも、ぜひ自分を労わってあげてくださいね。

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