不自由な妊娠生活を耐え、壮絶な出産を乗り越えて、やっと出会えた愛しい我が子!
これからは可愛い赤ちゃんと、バラ色の生活が待っている!
出産前はそう思っていた人も多いと思います。
実際に出産してみるとどうでしょう?
確かに赤ちゃんは可愛くて可愛くてしかたない。
でも、赤ちゃんとの生活って想像以上に大変!
幸せいっぱいのはずなのに、なんだか思うようにいかない…。
なぜか些細なことにイライラしてしまう…。
よくわからないイライラに悩まされ、気分がふさぎがちになっていませんか?
そんな自分が嫌になったり、罪悪感を感じたりしていませんか?
これは、実はよくあることなのです。
産後のママがイライラしやすいのには、いくつか理由があります。
産後のイライラの原因
1.産後のホルモンバランスの乱れ
妊娠、出産に大きく関わる女性ホルモン。
エストロゲン、プロゲステロン、プロラクチンなどのホルモンバランスは妊娠、出産を通して大きく変化します。
そうしてお腹の中での赤ちゃんの成長や、産後の育児を支えています。
しかし、この急激なホルモンバランスの変化は、自律神経にも大きく影響します。
そのためママの心と体に様々なトラブルが起きてしまうのです。
感情のコントロールが自分では難しくなり、ちょっとしたことでイライラしたり、無性に悲しくなったり、いろいろなことに上手く対処できなくなったりします。
体調面でも、倦怠感、不眠、動悸、頭痛など様々な不調に悩まされることもあります。
2.24時間休まることのない育児
赤ちゃんとの生活は、24時間ずっと気持ちも身体も休まる時間がありません。
夜中も3時間おきの授乳。昼間も赤ちゃんの状態を気にしながらの家事、育児。
泣くしかできない赤ちゃんを前に、「何かあったら、すぐに気がついてあげないといけない。」というプレッシャー。
仕事では休憩時間や、家に帰れば一人の時間、仕事のことを忘れる時間が持てますが、育児はそうはいきません。
時代が変わってきたとはいえ、サラリーマンが育児に参加できる時間は限られています。
不慣れなパパにまかせても、「離れていると何となく落ち着かない」「赤ちゃんが気になってゆっくりできない」という人も多いと思います。
ママの精神的、身体的な疲れはどうしても溜まっていってしまいます。
3.全てが自分のペースで進まない、達成感のないイライラ
これは育児経験のある人にしか、わかりにくいイライラかもしれません。
ママには一日にやらなければならないことがいっぱい。
人は誰でも、ある程度予定に見通しを立てて動いていますよね。
それなのに、赤ちゃんがいると何一つ計画通りにすすみません。
洗濯も掃除も、自分のお風呂や食事やトイレさえ、赤ちゃんが泣くと中断せざるを得ないのです。
一日中何もかもが中途半端なまま、小さな達成感も得られない毎日。
完璧主義で責任感の強い人は余計に、そうでなくても相当なストレスがかかっています。
4.生活環境、人間関係の変化
出産後のママの生活や人間関係は、今までとは大きく変わってしまいます。
生活は赤ちゃん中心で自分のケアや趣味にも、時間をかけることはできません。
新生児の間は外出も最低限になり、気づけば「今日一日、誰とも会話してない。」なんてことも…。
人間関係も変わってしまいます。
子どものいない友人とのお付き合いに悩んだり、お宮参りなどの行事でお姑さんや親戚とのお付き合いも増えたり…。
これらもママのストレスが、気づかないうちに大きくなる原因の一つです。
5.夫の無理解な言動
育児のパートナーであるはずの夫の言動も、イライラの原因の一つです。
24時間休まることがないというストレスは、パパには理解しにくいもの。
同じ親という立場なのに、パパは今までと同じ生活、ママだけが急に生活が変化するという不公平感。
その上ホルモンバランスの変化から、今までなら気にもしなかった些細な言葉や行動に、なぜかイライラしたり、悲しくなったり…。
夫に悪意がない、もしくは夫なりに頑張っているということも多いのですが、なぜか夫婦の気持ちがすれ違い、悪循環になることも少なくありません。
産後のイライラ、いつまで続く?
産後のイライラの原因はいろいろな要因が絡み合っています。
そのため、一概にいつまでということはできません。
3ヶ月ぐらいで落ち着いたという人もいれば、2~3年はかかったという人もいます。
産後のホルモンバランスの乱れは、個人差はありますが、完全に元に戻るには1年半~2年ぐらいは必要といわれています。
そして、周囲の理解やサポートなどの環境によって、イライラの続く期間は大きく左右されます。
産後のイライラ対策、どうすればいい?
産後のイライラ、ある程度は仕方ないもの。
とはいえ出来れば早く落ち着いてほしい。
なにか対策はあるのでしょうか?
自分をあまり追い込まないで!
完璧主義で、周囲に甘えるのも苦手…そんなママもいると思います。
でも、家事も育児も完璧にするのは至難の業。
まわりのママはちゃんとできているように見えるかもしれませんが、実際にはみんな四苦八苦、手を抜けるところは抜いているママがほとんどです。
子どもはいつまでも赤ちゃんではありません。必ず成長します。
今だけと割り切って、家事は少しくらい手を抜いても大丈夫。
頼れる人には、遠慮なく頼りましょう。
夫に理解してもらおう!
育児の大変さをすぐに理解してもらうのは、難しいかもしれません。
でも産後は体の変化などで、ママはイライラしやすい状態だということは知っておいてもらいましょう。
また、家事も育児も慣れていないパパ。
手伝う気はあっても「どうしたらいいかわからない。」という男性も多いものです。
男性に「言わなくてもわかってよ」は、ちょっとハードルが高いかもしれません。
いちいち指示するのも疲れるものですが、やってほしいことは具体的にお願いしてみましょう。
睡眠は大事!
赤ちゃんが小さいうちは、細切れ睡眠になるのはしかたがないもの。
それでも、睡眠時間はできるだけ確保するようにしましょう。
睡眠不足はそれだけでもイライラしたり、ホルモンバランスが整いにくくなったりするものです。
赤ちゃんが寝ているうちに家事を片付けたくなってしまいますが、家事は後回しにして、できるだけ一緒に横になりましょう。
家事は誰かに手伝ってもらうことができますが、代わりに眠ってもらうことは無理ですよね。
毎日少しでも一人の時間を!
育児ストレスやイライラって、一つ一つは小さなことが積み重なっているものです。
毎日、10分でもリラックスできる時間を作りましょう。
夫や家族に少しの間赤ちゃんをまかせてもいいし、赤ちゃんが寝ている間でもいい。
コーヒーを飲む、ストレッチをする、音楽を聴く…。
ちょっとしたことでいいので、自分のための時間をつくってくださいね。
あまりにもひどいときには相談を!
どうしても感情のコントロールが難しい、日常生活もままならないくらい疲れている、というときには、無理せず誰かに相談しましょう。
なかには、甲状腺などの病気が隠れていることもあります。
産婦人科や心療内科の医師に相談してみると、漢方薬などを処方してくれることもあります。
保健センターの保健師さんなどに話を聞いてもらうだけでも、気分が楽になることもありますよ。
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まとめ
産後のイライラは程度の差はありますが、多くの女性が経験しているものです。
後から振り返ると、「あの頃の自分はいったい何だったの?」と思うかもしれませんが、産後の時期は自分ではコントロールが難しいものです。
うまくいかないことが多いかもしれませんが、あまり自分を責めずに、できたことに目を向けましょう。
頑張っている自分を認めて、労わってあげてくださいね。
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