「保育園か幼稚園に入れて仕事に復帰したい」
「専業主婦だけど、3歳からは保育園か幼稚園に入れたい」
出産してからはもちろん、今は出産前から保育園や幼稚園への入園活動を行う人も増えています。そこで気になるのが、保育園に入れるべきか幼稚園に入れるべきかという点ではないでしょうか。選択肢が複数ある中で、子供にとってはどれが一番良いのか考えて行きたいですよね。
今回は保育園と幼稚園の違いを比較してご紹介します。どちらにしようか迷っている方は参考にしてみて下さいね。
保育園と幼稚園の違いって何?
保育園と幼稚園は、そもそも施設の目的が異なっています。それぞれの目的は以下のとおりになります。
- 保育園:日々保護者の委託を受けて保育に欠ける乳児または幼児を保育すること
- 幼稚園:幼児の心身の発達を助長すること
これを見ればわかるように、保育園は基本的に仕事などの理由から自宅で面倒を見られない場合に、代わりにお世話をする場所です。
一方、幼稚園は3歳~5歳の未就学児の教育を行う場所として考えられています。
保育園は養育、幼稚園は教育
ご紹介したように、保育園と幼稚園は大きく目的が違います。管轄や適応される法令にも違いがあります。
- 保育園:厚生労働省管轄 児童福祉法
- 幼稚園:文部科学省管轄 学校教育法
このように保育園は「養育・福祉」、幼稚園は「教育」といったカテゴリーに分けられています。
公立か私立かでも異なる費用
保育園と幼稚園にはそれぞれ 認可保育園・認可外保育園・公立幼稚園・私立幼稚園があります。どれに属するかによって費用は大きく異なります。それぞれの費用の目安は以下のとおりです。
- 認可保育園:数千円~7万円程度(※世帯収入・自治体による)
- 認可外保育園:4万円~8万円
- 公立幼稚園:数千円~2万円程度(※世帯収入・自治体による)
- 私立幼稚園:3万円~10万円
保育園は収入に応じた「保育料」というものが自治体によって決められています。数千円〜7万の間で収入が上がるにつれて保育料も上がります。自治体によっては2人目以降は半額または全額免除といった措置が取られているケースも増えています。認可外保育園になると安くても3万円代の場合が多く、4万円以上かかる場合が多いです。
幼稚園は公立か私立かによって金額が変わります。公立の場合は数千円~2万円、私立の場合は月3万円~4万円が目安となります。有名私立幼稚園などの場合は、20万円ほどかかるケースもあります。その他にも制服代や通園バス代、入園金といった費用がかかるため、保育園に比べると倍以上の費用が必要になることも少なくありません。
ただ、2019年10月から、
●幼稚園や保育所に通う3〜5歳の全てのこども
●保育所に通う0〜2歳の住民税非課税世帯のこども
●障害児通園施設に通う子ども
に関しては、利用料が無償化となりました。
幼稚園でも保育園でも、一定の年齢になれば国が負担してくれることになります。
書類などの手続きが必要になる場合もありますので、お子さんが当てはまるかどうかチェックしておきましょう。
あわせて読みたい
入園は何歳からできるの?
保育園・幼稚園は入園できる年齢が違います。どちらも施設によって異なりますが、それぞれの年齢は以下のとおりになります。
- 保育園:0歳から(生後2ヶ月から入園できる施設もある)
- 幼稚園:満3歳から(2歳児から入園可能な幼稚園や、4歳からの2年制の幼稚園もある)
施設の設備や保育士・幼稚園教諭の数によっても入園可能月齢は異なります。3歳までは保育園に預け、3歳から幼稚園に移行するというケースもあります。
預けられる時間の違いは?
保育園と幼稚園は預けられる時間も違いがあります。それぞれの時間についての決まりは以下のとおりです。
- 保育園:7時半ごろ~17時・18時ごろ(1日8時間または11時間)
- 幼稚園:9時ごろ~14時ごろ(1日4時間)
保育園の場合は8時間保育を「短時間保育」、11時間保育を「長時間保育」として定めており、金額もこの時間帯によって変わります。幼稚園の場合は基本は14時までなのでフルタイムで仕事をしている方
は預けるのが難しくなります。
仕事をしている方のために「延長保育」という制度があり、追加料金を支払うことで夕方まで預かってくれることもあります。保育園でも施設によって延長保育の制度があり、20時ごろまで預かってくれることもあります。
過ごし方や教育面、行事の違い
施設の目的が違うため、過ごし方や行事にも違いがあります。
園によっても違いはありますが、一般的には以下のような特徴があります。
- 保育園:勉強は少なめ。生活力を身に着ける行動の訓練が多い。行事は少ない。
- 幼稚園:英語や体育・音楽等の勉強の要素が多い。行事は多い。
保育園は勉強をする時間というよりも、自由に絵を描いたりおもちゃで遊んだりして過ごすことが多いです。また、正しい箸の持ち方や生活のマナーといった生活で必要なことを学ぶ機会が多くあります。最近では教育に力を入れている保育園も多く、英語を学ぶ機会のある園なども増えています。
幼稚園は園によって体育に力を入れていたり、学習を充実させていたりといった特徴があります。その特徴によって園を選ぶことができます。
保育園と幼稚園の給食の違い
保育園は給食が義務化されています。園によっては月に1回などお弁当の日がある場合もあります。
幼稚園の方は給食が義務化されてはいません。そのため、完全給食の場合もあれば、お弁当と給食の割合が半分ずつ、給食がなく毎日お弁当という場合など園によって様々です。
選び方のポイントってあるの?
保育園と幼稚園のどちらを選ぶのかは上記でご紹介したそれぞれの特徴をチェックして判断しましょう。選び方のポイントとしてはそれぞれの園の以下の点をチェックするといいでしょう。
- 教育方針……どういった教育に力を入れているかをチェックする
- 通いやすいかどうか……通いやすい場所にあるか、バスは用意されているかなど
- 給食について……毎日お弁当を作るのが難しい場合は給食の出るところを選ぶ
- 行事の多さ……仕事などの都合で行事への参加が難しい場合は、行事の多さも確認しておく
保育園・幼稚園の長所と短所
上記でご紹介してきた特徴の他にも、メリット・デメリットがあります。どちらを選ぶのかを決めるためにもどういった長所・短所があるのかを確認してみましょう。
保育園のメリット・デメリット
- 給食があり、お弁当を作る必要がない
- トイレトレーニングなどをしてくれる
- 行事が少ないため働きながら預けやすい
- 長時間預かってくれるため親の負担が少ない
- 学習的なことは行われないことが多い
- 預ける時間が長い分、親子の時間が取りづらくなる
- お昼寝の習慣があるため、夜寝るのが遅くなりがち
- しつけ等も先生まかせになってしまう部分がある
あわせて読みたい
幼稚園のメリットデメリット
- 本格的な学習を行っている園が多い
- 時間が短いため習い事などに通いやすい
- 親子の時間がしっかりとれる
- 行事が多いため、成長を感じる楽しみが増える
- 時間が短いため仕事をしていると大変
- 費用が高くなってしまうケースが多い
- 給食がない園の場合は毎日のお弁当が大変
- 行事が多いことで、親の負担も大きい
園によって違いがあるので、挙げたメリット・デメリットが当てはまらないケースもあります。あくまでも一般的な例としてチェックしておきましょう。
あわせて読みたい
いつから探す?どうやって探す?
幼稚園や保育園は探し始めるタイミングを誤ると、定員いっぱいで入園できないということもあります。
保育園は自治体によっては待機児童が多く、人によっては入園するのが難しいこともあります。認可保育園は基本は4月入園なので前年の秋ごろから受付が開始されます。仕事復帰などで年度の途中で入園させたい場合などは生まれる前に手続きを始めなければならない場合もあります。仕事復帰が決まっている場合は体調を考えながら、妊娠中に役場で保育園の入園についての相談をすることをオススメします。
幼稚園の場合は、入園を希望する前の年の夏頃から募集が始まります。体験入園などが始まるので夏ごろから情報をチェックし、実際に説明会などに出向いて複数の幼稚園から選ぶといいでしょう。
あわせて読みたい
保育園から幼稚園に転園できる?
仕事の都合で3歳未満から保育園に預けていても、3歳を機に幼稚園へと転園させることが可能です。
転園したい場合は幼稚園の定員に空きがあるかどうかを確認して見学などをして転園する幼稚園を決めます。転園する幼稚園が決まったらすぐに保育園に相談をしましょう。そこで必要書類などを貰って退園の手続きを行っていきます。
保育園と幼稚園の違いのまとめ
これまでご紹介してきた保育園と幼稚園の違いを表にまとめました。
保育園 | 幼稚園 | |
---|---|---|
目的 | 養育 | 教育 |
料金 | 数千円〜7万円 認可外保育は3万円以上かかることが多い (無償化対象はのぞく) |
数千円〜4万円 公立なら2万円以下 私立は3万円以上かかることが多い (無償化対象はのぞく) |
年齢 | 0歳〜(園によって異なる) | 3歳〜(園によって2歳~・4歳~になることも) |
時間 | 7時半~17、18時ごろ | 9時~14時ごろ |
行事 | 仕事している人が多いため少ない | 比較的多い |
給食 | 給食が義務付けられている | 園によって異なる |
一般的には産後しばらくして仕事復帰する方は保育園を選ぶことになります。しかし、語学や芸術など充実した教育を受けさせたいということから3歳以降は幼稚園に転園するケースもあります。
3歳までは家庭保育をして、3歳から保育園や幼稚園に行く場合は上記でまとめている特徴をチェックして合いそうなところを探してみましょう。
それぞれに特徴はあるものの、園によっては一般的な保育園や幼稚園とは全く異なった独自のシステムが用意されているというケースもあります。また、子供がその園の方針に合うかどうかという点も大切なポイントです。まずは地域の保育園と幼稚園をチェックして一時保育を利用したり体験入園をしたりして、一度子供の様子を見てあげましょう。
違いがあるからといって、どちらが良い、悪いといったことはありません。一部では「幼稚園のほうがしっかり学習するため入学時に差が出る」「保育園では社会性が身に付かない」といった声もありますが、明確なデータが出ているわけではありません。こういった偏った意見にふりまわされないようにしてくださいね。
あわせて読みたい